はじめまして。
ナレッジプラニングDiv. プランナーの九鬼です。今回は、スマホの台頭に代表されるように、情報ネットワークの多様化、高度化に伴い、生活者を取り巻く既存の4マスメディアやデジタルメディアの情報インフラが複雑化する中で、依然情報源として最大の評価を得ているテレビ(平成24年総務省 情報通信白書)に注目し、「他メディアからテレビに伝達するネタと、テレビ制作者が参考にしているメディア」について分析した内容をご紹介いたします。
以前、テレビPRに必要なことは媒体研究であると説明した通り、媒体研究をすることでテレビ制作者がどのような情報を集めているかが分かります。さらに、テレビ制作者がどのように情報を取得しているかがつかめれば、その情報取得経路を使ってキーパーソンに情報を届けることが可能です。つまりテレビ制作者が番組を作る際に参考にしている媒体に掲載させることで、その記事を元に制作者が番組を作り、媒体から媒体へ情報が伝達する(波及する)きっかけを作ることができます。
まず、情報波及の仕組みをつかむために、実際に新聞のコラム記事とビジネス誌の過去の特集記事を元に、特定のネタがどのくらいテレビに波及したかを調べました。
過去1年分の新聞のコラム記事87件とビジネス誌の特集記事385件(合計 472記事)で取り上げたネタを元に、テレビの過去放映の中から類似のネタを探しました。結果、新聞のコラム記事と似たテレビ番組が22件(12%)見つかりました。一方、ビジネス誌からテレビに情報波及しているケースはごく少数で、むしろテレビ放映されたネタがビジネス誌で特集記事として掲載されているケースがありました。これは、ビジネス誌の媒体特性が関係していると言えるのですが、ビジネス誌は企業の取材を通して独自の見解を交えて記事化する特性があります。速報性のあるテレビと比較をしてみても、時系列で後ろになるため、テレビ→ビジネス誌という波及順序になることが推測できます。
新聞のコラム記事が比較的テレビに波及しやすいことが見えてきました。次に、どのようなネタがテレビに波及しやすいのか調べました。
テレビに情報波及した新聞のコラム記事22件の内容を比較すると、ある傾向が見えてきました。それは、「造語」です。テレビに情報波及した新聞のコラム記事22件中11件が「造語」を使用していました。他のネタと比較してもテレビに取り上げられやすい傾向があると仮説立てられます。くわえて、今回取得した新聞コラム記事の「造語」に関する記事は全新聞コラム記事87件中12件。つまり、新聞コラム記事に「造語」が使われた12件のうち、11件がテレビに取り上げられたことになり、とても高い確率を示していることになります。
最後に、テレビに波及しやすい「造語」をネタにしている新聞コラムコーナーを3つ紹介します。
「造語」のPRを仕掛ける際には上記の媒体を優先的にアプローチすることで、テレビに波及する可能性が高くなると言えます。
次回以降もメディア分析に基づいたエントリーをお届けします。
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