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多様化する女性の共感を生むデジタル×オフラインPR戦略とは

公開日:2019年7月22日   カテゴリ:

働き方、家族のあり方、衣食住の選択...様々な価値観が生まれ、女性のライフスタイルやライフステージが多様化する時代になりました。そんな中に生きる女性たちは、日々どのような情報を求め、どのように情報を取捨選択しているのでしょうか。ビルコムが開催したセミナー「令和を生きる女性をターゲットにしたPRのポイントとは?」より、若年世代と40代~50代のミドルエイジ世代、それぞれについてのヒントをお届けします。


■目次

・登壇者紹介
・現代の40代、50代女性を取り巻く社会課題
・「Aging Gracefullyプロジェクト」の概要
・「Aging Gracefullyプロジェクト」:実施施策
・複数の企業が集まることで、生活者に伝わるメッセージがある
・令和時代の若年女性攻略の鍵はソーシャルメディア
・若年層の情報波及を最大化するために必要なPR戦略

■登壇者紹介

▽前田育穂氏
朝日新聞社総合プロデュース室主査/Aging Gracefullyプロジェクトリーダー

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朝日新聞社総合プロデュース室主査。Aging Gracefullyプロジェクトリーダー。
慶応義塾大学卒業後 、2000年に朝日新聞社入社。記者として甲府、青森総局、東京本社文化くらし報道部や社会部で、子育てや医療、介護、教育などのテーマを取材。2017年より現部署に異動し、宝島社「GLOW」とともに、40代、50代の女性の生き方を考えるプロジェクト「Aging Gracefully」および、2030年の日本を若者と共に考えるウェブメディア「朝日新聞DIALOG」を担当。


▽長沢 美香
ビルコム株式会社プロデュース局 部長

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新規事業担当、営業・納品担当を経て、各クライアントにおけるPRコミュニケーションの品質管理に従事。国内外大手クライアントを持つ部署全体を統括し、戦略的PRプランニングなどに携わる。女性をターゲットとしたインフルエンサー施策をテーマとしたセミナーや、コーポレートコミュニケーションをテーマとしたセミナーなど、登壇実績多数。

現代の40-50代女性を取り巻く社会課題

まずは前田様より、現代の女性――特に、40代、50代の女性を取り巻く社会課題についてご紹介いただきました。これらの社会課題は、Aging Gracefullyプロジェクトが立ち上がった背景にもなります。

▽社会課題①:人口構成の変化

2020年には日本女性の2人に1人が50歳以上になると言われており、1980年と比べるとその割合はほぼ倍に。中でも、団塊ジュニア世代を含む40代、50代は1700万にのぼります。人生100年時代と言われるなか、平均寿命も1980年の78.7歳から87.3歳に伸びており、人生の後半を充実させる術がより求められています。(※1)


(※1)出典:総務省「人口推計」(2018年10月1日現在)および、人口推計の長期時系列データ「我が国の推計人口」(大正9年~平成12年)、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(2017年)、厚生労働省「簡易生命表」(2017年)

▽社会課題②:女性のエンパワメント後進国である日本

日本は、女性を応援して勇気づける取り組みが不足しているとよく言われています。現に、日本におけるSDGsの達成状況を見てみると、「ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワメントを図る」というゴール5は、他の項目に比べて達成状況が芳しくないことがわかります。(※2)


(※2)出典:The Sustainable Development Goals Report 2019, p.248(2019年7月22日最終アクセス)

▽社会課題③:大多数の女性が感じている将来への不安

民間シンクタンクの調査によると、全年代において男性よりも女性の方が、将来への不安を感じている傾向があることがわかりました。その中でも特に、40代の女性は不安を感じている人が最も多いという結果が出ています。(※3)


(※3)引用元:㈱三菱総合研究所・生活者市場予測システム(mif)、2017年6月実施、20-69歳の男女、30,000人

▽社会課題④:目指すロールモデルが少ない多種多様な女性

ライフステージの後半に立つ40-50代の女性たちは様々なライフコースを歩んでいるため、悩みも多様です。また、先行するロールモデルの存在が少なく、自分のありたい姿を描きにくい現状があります。


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「Aging Gracefully」:プロジェクトの概要

前田様(以下、敬省略):このような社会の中で、「自分らしく年齢を重ねていきたいと思う女性を応援しよう」という思いから、「ゆるっと、優雅に」というメッセージを込めて、Aging Gracefullyプロジェクトが発足しました。


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前田:働き方や家族構成の違いに関係なく、年齢とともに体は変わっていくんですよね。心身の変化に関する知識を身につけ、折り合いをつけて受け入れていくことが40代以上の女性には大切です。また、他人と比べて必要以上に落ち込むことなく、自分自身を機嫌よく、マインドコントロールしていくことも必要だと思っています。「人生100年時代」と言われるなか、自分らしく生きたいと願う人たちが繋がる場を創っていきたい、という思いでプロジェクトを始めました。


共に取り組んでいるのが宝島社の女性誌「GLOW」と朝日広告社で、各社がそれぞれ、役割を果たしています。


▽Aging Gracefullyに参画する三社の役割

<朝日新聞社>

・社会課題化、政策提言

・有識者とのネットワーク


<宝島社>

・ライフスタイル面での情報発信

・有識者とのネットワーク(美容・健康)


<朝日広告社>

・パートナー企業へマーケティング&クリエイティブ開発

・AG LABOによる調査・研究、企業の商品開発支援

「Aging Gracefully」:実施施策

前田:ミドルエイジの女性を応援するプロジェクトとしての認知を獲得し、コミュニティを拡大するために様々な施策を展開しています。

①宣言広告

朝日新聞、GLOW、AERAに、プロジェクトの発足や取り組みの意義をうたう広告を掲載。

②各媒体での情報発信

朝日新聞、GLOW、AERAでAging Gracefullyをテーマにした記事や広告を掲載。

③ウェブサイトでの情報発信

Aging Gracefullyのオウンドサイトではオリジナルコンテンツを定期的に制作・掲載。サイトへの誘導を強化するために、Web広告の配信だけでなく、朝日新聞グループメディアや外部サイトと連携するなど、Web上の横のつながりを拡大。

④企業向け勉強会

朝日新聞社主催で企業担当者や有識者を集め、40代、50代の女性が直面している社会課題をテーマにした勉強会を定期的に開催。有識者の講演、各企業の取り組みの発表、テーマに基づいたグループワークなどを行う。勉強会の様子はオウンドサイトにレポートとして掲載し、オフラインとオンラインの連携も目指している。

⑤イベント

プロジェクトの認知度アップやコミュニティの拡大を目的に、朝日新聞やGLOWなど媒体主催の読者参加型イベントを年に数回開催。

⑥協賛企業との取り組み

単に商品のPRだけではなく、プロジェクトの理念に共感してもらえる企業を募っていくことで、ビジネスを通して社会課題を解決する流れを創出。


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複数の企業が集まることで、生活者に伝わるメッセージがある

長沢:女性として非常に心強い取り組みですよね。リアルのイベントを多く開催されていますが、プロジェクト主導で行うイベントのテーマはどのように見つけていますか?


前田:個人の方に向けて行うミニイベントでは、雑誌で目にする話題や、自分の周りでよく聞く話からヒントを得てテーマを決めることが多いです。5月は「令和の注目ニュース」をテーマにした壁新聞づくりのワークショップ、6月は加齢に伴う骨と筋肉のケアに関する講演会と実技のワークショップを開催しました。


とはいえ、プロジェクトが発足してまだ2年目ですし、この世代は生き方も関心事も多様ですので、色々なテーマを投げかけて試行錯誤しています。「私には関係ないわ」と思われないように、誰も取り残さない、という思いで活動をしています。


長沢:ある程度は社会時流を意識しつつも、ターゲットが興味を持つテーマを幅広く用意するということですね。協賛企業様についてもうかがいたいのですが、プロジェクトが発足して2年で5社が参加しています。各企業様はどのようなところに魅力を感じてプロジェクトに参加されているのでしょうか?


前田:各企業も独自にこの世代の女性に向けた取り組みをされていると思うんですが、私どものような媒体社と組むことで、より、その取り組みが拡がることを期待されているのではないかな、と思います。


そして、今は「社会課題を解決することこそがビジネスの本流」という考えが広がりつつあります。そうしたなか、これまであまり注目されてこなかった、ミドルエイジ世代の課題に取り組むプロジェクトであることも、ポイントなのかもしれません。40代、50代の女性は職場、あるいは家庭や地域でも、重要な役割を果たしていると思います。


だからこそ、この世代が心身共に健やかにいることが求められているとも言えます。そうした点にもっと着目してみませんか、と問いかけることで、色々な企業が「その文脈なら関わりやすいかも」と思って協賛をしていただけていると考えています。


長沢:企業が一社で広告を出しても生活者にはなかなか伝わりにくいことが、このようなプロジェクトに参加することによって、社会ゴト化して伝わっていきますよね。


前田:そうですね。Aging Gracefullyは海外ではかなり知られている価値観なんです。ですので、ピンクリボン運動のように、日本でももっと定着させていけたら、と考えています。


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令和時代の若年女性攻略の鍵はソーシャルメディア

セミナー後半では、若年女性の情報収集経路の変化と、その中でどのような視点を持ってPR戦略をたてるべきかを、ビルコム・長沢よりお話しさせていただきました。

▽10-20代のスマートフォン利用状況

総務省の調査によると、10代、20代ともにモバイルの利用時間がパソコンより圧倒的に長く、また、スマートフォンの利用時間は他世代の2倍以上という結果が出ています。(※4)


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(※4)出典、引用:総務省情報通信政策研究所「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」

▽ソーシャルメディアが必要不可欠な女性たち

スマートフォンの普及に伴い、近年の若年女性に向けた情報発信においては、Webメディアやソーシャルメディアなど、インターネット上でのコミュニケーションが非常に重要になっています。彼女たちは、ソーシャルメディアに自身の好みや意見を投稿することに、抵抗を感じることが少ない世代であることがデータからも読み取れます。気に入ったらシェア、共感したらシェア。日々の生活の中にソーシャルメディアがかなり深く浸透しています。


男女別の各ソーシャルメディアの利用状況を見てみても、10代男女のFacebook利用率を除き、女性の方がソーシャルメディア利用率が高いことがわかります。(※5)


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(※5)引用:株式会社TesTee「2019年版 若年層のSNS利用事情」(2019年7月12日最終アクセス)

▽多様性の中に生きる令和時代の女性

働き方、家族のあり方などの価値観が多様化する中で、女性のライフステージやライフサイクルも個人によって大きく異なる時代がやってきました。一人ひとりが自分の価値観を大事に生きる令和時代には、個人的なインサイトに寄り添うことがより求められています。


例えば、化粧品やヘアケア商品において、低価格のマス商品のシェアが2010年はおよそ8割だったのに対し、2019年は5割以下に低下。逆に800円以上のプレミアム商品、1,400円以上のハイプレミアム商品のシェアが増える見込みになっています。(※6)このような流れの中、株式会社I-neが1本4,980円(税別)のパーソナライズシャンプー「My BOTANIST」を発売するなど、美容・化粧品業界では「価格ではなく、自分の価値観で選んだモノを使いたい」という女性のニーズを捉え、パーソナライゼーションが進んでいます。


(※6)参考:日本経済新聞「さよなら大衆 「個客」に照準  ヘアケア、量産品シェア5割に低下 I-neなど新興勢台頭」2019/5/9付(2019年7月12日最終アクセス)

若年層の情報波及を最大化するために必要なPR戦略

ソーシャルメディアが大多数に浸透している若年層ですが、情報波及を最大化させるためには情報拡散の流れを意識して戦略をたてる必要があります。


効果的にターゲットにリーチするためには、まず、対象の商品やカテゴリーに対して熱量の高いコアなファン―ホットセグメントに情報を届けることが必要です。若年層はソーシャルメディアやWebメディアを巧みに駆使して情報を収集していますので、ホットセグメントから発信された情報がやがてターゲット層へと徐々に広がり、情報の波が大きくなっていきます。ビルコムでは、情報が次々に溢れていく様子を表したフレームワーク「シャンパンタワー型コミュニケーション戦略」を戦略設計の柱の一つとしています。


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価値観が多様化する中でも選ばれる企業・ブランドになるためには、"選ばれる理由"が必要です。そのためには、ビルコムは「生活者に浸透しやすいことば」=「市場創造記号」にすることが有効だと考えています。


商品やブランドが持つ様々な価値を市場創造記号化することで、メディアと生活者どちらにも注目される可能性を高めることができます。特に、若年層は次々に若者言葉を生み出すなど、言葉の力に敏感な世代です。若年層をターゲットとする場合は、ソーシャルメディアでシェアしたくなるキャッチーな語感であることは意識した方がいいでしょう。


とはいえ、"ことば"を武器に自社の商品やブランドをPRしていくには、PR素材を充実させたり、広報・PRチームの体制を整えるなどの準備が必要です。自社が市場創造をしていくため何を強化していけばいいかを知りたい方は、無料のPR力診断テストをご活用ください。




ビルコムでは上記診断テストのどのフェーズのお客様に対してもソリューションをご用意しています。「これからPR体制を強化していきたい」「社内にPRの理解を広めたい」「市場創造記号の具体的な事例が知りたい」など、広報・PRに関するご相談はお気軽にご連絡ください。


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