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BtoB広報が取り組むべき、事業を正しく伝えるためのPR戦略(前編)

公開日:2019年8月14日   カテゴリ:


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BtoB企業の広報・PR担当者からは、「自社の商材や業態をターゲットに正しく理解してもらえていない」「モノが見えづらく、メディア掲載をなかなか獲得できない」というお悩みを伺います。では、BtoBのPRでは、どのような戦略でメディアと向き合えばいいのでしょうか。電子機器、クラウドシステム、教育、医療など、幅広い分野のアーンドメディアの記者・編集者と日々やり取りする、弊社メディア局・シニアメディアプランナーの星に話を聞きました。

前編では、メディアに向けたPRメッセージの作り方や、準備すべき素材の考え方についてお届けします。

■目次

・BtoBの広報が一番大事にすべきこととは?
・PR素材は、読者起点で準備する
・特集企画は「速報」「詳報」「深堀り」で予測
・企画提案に必要な4つの要素
・まとめ

BtoBの広報が一番大事にすべきこととは?

―まずは、BtoBの広報・PR担当者に一番大切なことは何だと思いますか?


目的をぶらさないことだと思います。BtoBのPRのゴールって、採用活動に繋げたいとか、企業や商品に対する正しい評価・認知を獲得したいとか、いろいろありますよね。メディア露出ばかりを求めてしまうと、本来のゴールに繋がらない掲載を無理に追ってしまうこともあるので、注意が必要です。


例えば、PRの最終ゴールがリード獲得で、自社製品のイメージを向上させたいという場合、面白い福利厚生や社員の時間活用術といった記事が実現しても、本来の目的にはあまり寄与しません。事例や時流に合わせたトピックスが出しづらいなど、メディアにアプローチしづらい事情がある場合、まずは広告で認知を高めていくというのも一つの手です。


メディアの概念も、アーンドメディアだけでなく、ペイド、ソーシャル、オウンドと広がっており、今や「PR=アーンドメディアへのパブリシティの獲得」ではありません。ゴールに到達するためには、どんな戦略と施策が必要なのかを柔軟に考えることが大切だと思います。あとは、マスメディアばかり重視しないこと。たとえ専門媒体であっても、ターゲットが読んでいる媒体での露出をしっかり獲得していくのは、とても大事です。マスメディアに出たときよりも、専門媒体で特集されたときの方がお客様からの反応が早い、などのケースもしばしば耳にします。


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PR素材は、読者起点で準備する

―では、そんな中で今回はアーンドメディアへのアプローチについてうかがいたいと思います。BtoB企業のPRのゴールは色々あるということでしたが、そのゴールに合わせて媒体選定をすると思います。まずやるべきことは何でしょうか?


まず、媒体の読者をしっかり把握することは大事です。BtoBの企業が掲載獲得を狙っていくのは、ビジネス系メディアが多いと思いますが、その読者は細分化されていますよね。マーケティング、セールス、エンジニア、人事担当、経営者、新規事業開発担当...。最後に情報を受け取る、メディアの奥にいる人たちに刺さる内容じゃないといけません。


―メディアが求める着地点と合致していないとだめってことですかね?


そうです。例えば、日経ビジネスさんには「ケーススタディ」というコーナーがあります。一つの商材が生まれるまでの、企業としての経営判断などが取り上げられるんですが、媒体資料を見ると、読者は製造業の方が多いんですね。ということは、やはり製造業のケーススタディが好まれると想定されます。役職レイヤーも経営層の方が多いので、「現場担当がこんな工夫をした」ではなくて、「組織再編をして、意思決定のプロセスを社内的にこう変えた結果、この製品が生まれて、結果的に売上が上がりました」っていうような、経営レイヤーから見た一連のストーリーを語れる必要があります。 読者をしっかり把握すると、用意すべき素材は何かが見えてきます。


―なるほど。「媒体の読者をしっかり把握する」という部分では、ビジネス系もライフスタイル系も、素材の準備時点では変わらないんでしょうか?


そうですね。ただ、その2つでは求められる"要素"が違うと思います。


ライフスタイル系のメディアで重視されるのは、ビルコムが提唱する「ニュース7つの要素」(※)のうち、「新規、季節、時流、実利」なんです。だから、「梅雨の時期のヘアケアグッズ3選」みたいな企画があるとすると、その中に新商品が混ざっていて、他社には無い新しい機能が付いていたりする。機能もすごい物質が入っているとか、珍しい製法を使っているとか、そういう技術的なことはあまり響かなくて、「今まで30分かかっていたヘアセットが、こんなに短縮できる!」というような実利要素がウケます。


逆に、ビジネス系メディアの場合では新規要素はもちろんのこと、「技術、大成、実績、時流」が重要です。読者は、製品開発時のプロセスや、技術応用で事業をいかに拡大していくのか、などを知りたがっているからです。時流もライフスタイル系とはちょっと違ったもので、より大きなレイヤーの社会背景に絡んでいることが必要です。例えば、今だとMaaSやFintechなど既存業界のディスラプターとなる技術が時流になっていますよね。


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(※)ニュース7つの要素:ビルコムが提唱する、発信するニュースや情報に盛り込むべき要素をまとめたもの

特集企画は「速報」「詳報」「深堀り」で予測

―メディアの企画も時流に合わせて組まれると思いますが、ライフスタイル系だと何ヶ月も先まで特集予定が決まっている印象です。その点では、ビジネス系メディアはどうなんでしょうか?


そこは媒体にもよるんですよね。最近ある媒体の記者さんに「秋にいつもこういう特集を組んでいますよね?」って聞いたら、「いや、そんなことないよ」って言われたこともあって(笑)。読める部分と読めない部分はあります。そのときにホットなトピックス―今でいうと「人生100年時代」や「キャッシュレス化」は、一年後に同じテーマで特集を組むかというと、そういうわけではないと思うんです。


読めないといえども、東京五輪、就活、法案施行とかのマクロな世の中の動きはある程度予測がつきます。なので、記者さんとお話しするときに、「7月の企画会議では、どなたか五輪1年前に関連したテレワーク系の企画を出されるんですか?」というヒアリングをし、自社の持つ素材から、合うものを提案しています。


―では、その一方で、トレンド的な時流は予測がつかないことが多いと思います。スピーディーに対応するにはどのような工夫が必要なんでしょうか?


「速報」から予測するのがいいと思います。ニュースって、「速報」「詳報」「深掘り」と3つのパターンがあるんです。


まず速報は、よく一次情報と言われるものです。何かしらの発表がされたことをスピード重視で報じるので、まずは起こった事実だけが取り上げられます。


詳報は速報が出た数時間後、1日後くらいに、専門家や当事者、関係者の意見と一緒に報じられます。


深掘りはさらにレイヤーを上げて、業界全体の動向予測などを、複数の取材を通して予測したり、詳報の逆張りをしたり。いろいろな報道でこう言われているけど、取材したらこんな事実がわかってきた、とか。取材期間が比較的長いので、複数の取材を通じて報じることが特徴です。


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速報は、基本的にWebと新聞で報じられます。そして、雑誌やビジネス誌、一部のWebでは詳報・深掘りが多いです。そうなると、詳報や深堀り記事がいつ報じられるのかは、速報から大方の予測がつくんですよ。


例えば、政府が70歳定年の方針を打ち出したとします。詳報では、「70歳定年について、シニア活用に取り組んでいる企業に話を聞いてみました」とか、「現場の65歳の、まさに定年を迎えようとしている方に意見を聞いてみました」とか、色々なコメントが入ってきます。そして、「数年前から70才まで働ける環境をつくっていた企業がありました。トップに実際の課題感や経営への影響を聞いてきました」のように、レイヤーを上げて報じるのが深掘り。


この辺りは、速報でこんな情報が出たから次の企画会議ではこんな動きがあるだろう、と目算をつけて提案しにいきます。なので、記者さんに探している情報ヒアリングをして提案する方向と、速報から予想して提案をする方向と、2つあります。


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企画提案に必要な4つの要素

―では、企画提案するときに絶対におさえておくべきことはありますか?


4つあるんですが、1つ目は「商材・企業が属する市場と市場規模」です。訪日外国人向けの飲食アプリだったらインバウンド市場、外食市場、アプリ市場など、どの商材・企業であっても所属する市場はいくつかあるはずです。


そして2つ目が、「その市場における課題」。できれば、それがSDGsなど大きなレイヤーの社会課題だといいですよね。高齢化社会、地方の過疎化など。なぜかというと、そういう話題はマイクロトレンド化しやすいからです。政府が課題として認識しているし、企業としても取り組みが進んでいる、という二軸で進めることができるので、PR素材としては強いものになりますし、メディアが今報じる理由ができます。


3つ目は、「横並び事例」です。その市場における旧来のトレンドと現在のトレンド、そして、トレンドを構成している自社以外の企業・個人を幾つか提示します。そして、その中で、商材や企業がどういう部分でとがっているのか、新しいのかを事例として紹介するんです。


最後の4つ目は、上記の事例に紐づいた取材対象者と情報の発表時期です。メディアが記事化を検討する際に、取材対象を一から探す手間がないということ、そして情報がいつ頃解禁されるのかがわかることで、掲載の可否を判断しやすくなります。


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―toBだと、特にどの情報が肝になるんでしょうか?


1つ目と2つ目の、市場に関する情報が大事になることが多いです。一般生活者を読者に持つビジネス系メディアの記者の方は、「その市場って本当に大きい?ニッチすぎて誰にも読まれないんじゃない?」というのを恐れるので。


―でも、どうしてもニッチな市場に属している商材もあると思います。その場合も、どうにか大きな市場と関連付けて提案した方がいいんですか?


そうですね。その市場がなかなか見つけられないときは、商材を使用しているお客様にヒアリングしてみると見つかりやすいと思います。「意外とこんな課題を解決していたんだ」という発見から、これまでになかった視点を得ることができます。

まとめ

広報部門では、ついメディアプロモートによる掲載を追ってしまいがちですが、最も大事なのは本来の目的をぶらさないこと。そのためには、経営課題から導いた戦略をもとに、統合的なコミュニケーションを実施する必要があります。とはいえ、その戦略の中でメディアプロモートが必要になる局面も少なくありません。そんな時は、メディアの向こうにいる読者層や、その市場のトレンドから逆算した切り口の開発、掲載につなげるための素材など、ポイントを押さえた準備が欠かせません。


ビルコムでは、データや媒体研究に基づいたメディアプロモートだけでなく、PR戦略全体の設計からオウンドメディア、ソーシャルメディアなども活用した統合的なプランニングで、お客様の事業に貢献するPR活動を行っています。商材だけでなく、コーポレートPRの実績に多数ありますので、PRに関するお悩みをお持ちの方は、お気軽にご連絡ください。


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