WHAT’S INTEGRATED PR?
統合型PRとは?

  • TOP
  • 統合型PRとは?

WHAT’S INTEGRATED PR?統合型PRとは?

社会の熱量を高める力

統合型PRとは、デジタル時代における多様なメディアを活用してステークホルダーの熱量を高めるコミュニケーション活動のことです。

統合型PRとは

統合型PRとは、マスメディアやソーシャルメディア、オウンドメディアといったデジタル時代における多様なメディアを用いて、潜在顧客や採用候補者といった企業のステークホルダーの熱量を高めるコミュニケーション活動のことです。

ステークホルダーの熱量を高めることで、新市場創造や新しい競争軸の創出、良質な評判形成といった企業の競争優位を高めます。統合型PRの前提となるのは、企業とステークホルダー間の双方向コミュニケーションを、概念レベルではなく実務レベルに落とし込んで成立させることです。企業が社会へ発信する情報と、その反応を定量および定性データをもとに分析しながら、コミュニケーション活動をスピーディに改善していくことが求められます。企業がこれまで重視してきたPR活動は、企業や商品に関する情報をマスメディアに提供し、それが報道されるように働きかけるパブリシティ活動でした。メディアとの関係構築という意味で、「メディアリレーションズ」と呼ばれることもあります。しかし、ソーシャルメディアやオウンドメディアの普及によってコミュニケーションチャネルは多様化しました。企業が一方的に情報を発信し、マスメディアから報道されることを狙う一方向的なPR活動だけでは、ステークホルダーにメッセージが伝わりにくくなったのです。

コミュニケーションチャネルが多様化した現代において、ターゲットオーディエンスへメッセージを伝えるには、従来のマスメディアに加えて、ソーシャルメディアや自社サイト、イベントといった多様なチャネルを活用することが必要です。また、それぞれのチャネルに応じて、戦略的にメッセージを発信し、その反応を定量的かつ定性的にデータを分析しながら、俊敏に計画を修正していくことも重要になります。
ソーシャルメディアやオウンドメディアといったメディアの多様化が進むにつれて、生活者はオンライン上で企業や商品の情報を収集し、意見を発信するようになりました。そうした外部環境の変化によって、企業のコミュニケーション活動は、より透明性が求められ、信頼性が重要になり、社会性が評価されるようになったのです。そこで、統合型PRを実行していく上で重要になるのが「ファクトベース」、「第三者発信」、「情報波及」という3つの要素です。

統合型PR 3つの要素

シャンパンタワー型コミュニケーション戦略

  • 1. ファクトベース

    企業が発信する情報はファクト(事実)に基づいたストーリーであることが重要です。

    ファクトは企業が実際に保有している技術や資産、取り組んでいる施策や人物のことです。
    それらのファクトを時流や世論といった社会性と紡ぎ合わせて魅力的なストーリーに組み立てて発信します。

  • 2. 第三者発信

    第三者とはマスメディアの記者やインフルエンサー、専門家といったターゲットオーディエンスにとって影響力のあるメディアや人物のことです。企業からの一方的な情報発信を生活者は避ける傾向が強まっており、第三者が客観的な視点で発信する情報が受け入れられるようになっています。統合型PRでは、影響力を持つ第三者からどのような情報を発信してもらうかが重要になります。

  • 3. 情報波及

    企業が発信した情報が、例えばソーシャルメディアからWebメディア、マスメディアへと、様々なメディアに情報波及していく構造を作ることが統合型PRにおいて重要です。統合型PRでは、情報を受け取った人たちが熱量を持って口コミを生み出し、その情報が話題化することで、さらにメディアに取り上げられてリーチが指数関数的に増加することを狙います。

これら3つの要素を包含した統合型PRと広告の違いを表にまとめると、以下のようになります。

統合型PR 広告
情報発信の内容 事実に立脚したストーリー クリエイティブで
演出した内容
情報発信の主体者 記者やインフルエンサーなどの
第三者
広告枠を購入した企業
情報波及 記事や口コミがメディアを
横断して波及する
広告の閲覧者のみに限定される
広告
情報発信の内容 クリエイティブで
演出した内容
情報発信の主体者 広告枠を購入した企業
情報波及 広告の閲覧者のみに限定される

PRに起きている変化

時代とともにPRの定義は変化してきました。ここでは、従来の書籍や論文を紹介しつつPRの歴史を概観します。

1952年の初版刊行以来、米国でPRの教科書として広く読まれてきたCutlip et al.(2006)の『Effective Public Relations』によると「PRとは、組織とその活動の成否に影響を与える社会との間で、相互に便益をもたらす関係を特定および構築し、維持するマネジメント機能である」と定義されています。

“Public relations is the management function that identifies, establishes, and maintains mutually beneficial relationships between an organization and the various publics on whom its success or failure depends.”(Cutlip et al. 2006)

Wilcox et al.(2014)によると、1978年8月にメキシコで開催された世界34カ国のPR業界団体の集会では、「PR活動とは、時流の分析やその先の予測、組織のリーダーに対する助言、公益をもたらす計画の実行に関する技法と社会学である」として、PR活動は公共の利益を随伴することを示唆しています。

“Public relations practice is the art and social science of analyzing trends, predicting their consequences, counseling organization leaders, and implementing interest.”(World Assembly of Public Relations 1978)

1980年代には、組織の経営機能におけるコミュニケーション活動としてPRを捉える動きが散見されました。例えば、1984年に発刊されたGrunig and Hunt(1984)の書籍『Management Public Relations』では、「PRとは、組織と社会におけるコミュニケーションを管理すること」としています。

“Public relations is the management of communication between an organization and its publics.”(Grunig and Hunt 1984)

また、Long and Hazelton(1987)は、PRとは、「組織の目標を達成するために、組織を取り巻く環境に適合し、改善し、維持するための経営におけるコミュニケーション機能」としています。

Public relations as “a communication function of management through which organizations adapt to, alter, or maintain their environment for the purpose of achieving organizational goals.(Long and Hazelton 1987)”

国内では、公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会(執筆者:駒橋恵子)が「パブリックリレーションズ(Public Relations)とは、組織とその組織を取り巻く人間(個人・集団)との望ましい関係を創り出すための考え方および行動のあり方」としており、関係性の構築に着目しています。同様に、井之上(2015)も、「パブリック・リレーションズ(PR)とは、個人や組織体が最短距離で目標や目的を達成する、倫理観に支えられた双方向コミュニケーションと自己修正をベースとしたリレーションズ(関係構築)活動である」として、あくまでPRは関係構築活動としています。

最近では、関係構築の先にある価値に重きを置いた考え方も台頭してきました。江良(2019)は、企業広報とは、「自社を取り巻くステークホルダーと相互にメリットのある良好な関係を構築し、レピューテーションと企業価値を高めて維持するコミュニケーション活動」として、関係構築の先にある企業価値の向上といった点に踏み込んで言及しました。

社会との関係構築の先にある価値に重きが置かれつつある流れを受けて、よく用いられるのは米国PR協会(PRSA: The Public Relations Society of America)(2012)が発表した定義です。
それによると、パブリックリレーションズとは、「組織とそれをとりまく社会とのあいだに、相互に利益のある関係を築こうとする戦略的コミュニケーションのプロセス」であるとして、相互に利益のある関係を築く手段としてコミュニケーションのプロセスに着目しました。

“Public relations is a strategic communication process that builds mutually beneficial relationships between organizations and their publics.”

また、イギリスのPR業界団体(CIPR:Chartered Institute of Public Relations)(2010)は、「PRとは、評判に関することである。あなたが何を行い、何を伝え、そして一般の人々があなたについて何と言うかといった結果である。」と定義しました。PRは関係構築だけでなく、組織の評判形成であると踏み込んで定義したのです。

CIPRは、続けて「PRとは、広聴と広報の双方向プロセスによるオーディエンスからの理解と支援の獲得や、意見と行動に対して影響を与えることを目的とした評判形成に関するものである。こうしたPRは、組織と社会の間における善意と相互理解を確立し、維持するために計画化された弛まぬ努力によるものである。」としています。

"Public Relations is about reputation - the result of what you do, what you say and what others say about you."

"Public Relations is the discipline which looks after reputation, with the aim of earning understanding and support and influencing opinion and behavior. It is the planned and sustained effort to establish and maintain goodwill and mutual understanding between an organization and its publics."

市場の成熟化、少子高齢化、差別化の困難といった国内企業が抱える課題に対して、顧客、パートナー企業、従業員、株主、記者、インフルエンサーといった潜在的なステークホルダーも含めた世間からの評判形成が経営機能におけるPRの新たな役割といえるでしょう。特に、ソーシャルメディアが発達し、生活者の情報発信が影響力を持ちつつある今日において、マスメディアを対象とした一方向の情報発信だけでPRの目標を達成することは難しくなっています。なぜなら、これまで買い手だった生活者が、ソーシャルメディアや口コミを通じて、企業や商品に関するブランドや評判形成の担い手になっているからです。

このような背景から、実務レベルにおけるPR活動では、記者やインフルエンサーを巻き込みながら商品開発を行ったり、自社や競合の評判についてマスメディアのパブリシティやソーシャルメディア上の口コミを分析したり、自社サイト(オウンドメディア)から情報を発信するなど、多様なメディアを横断した統合的なコミュニケーションを実行することが増えています。

双方向のコミュニケーションを前提としたデジタル時代においては、多様なメディアを活用することで、潜在顧客や採用候補者を始めとしたステークホルダーとの間に好ましい関係を築き、企業の経営目標を達成するように評判を形成していくことが新たなPRの役割といえます。

参考文献

  • CIPR(2010), " What is PR?" The Chartered Institute of Public Relations.
    https://www.cipr.co.uk/content/policy/careers-advice/what-pr
  • Cutlip, Scott M., Allen H. Center, and Glen M. Broom(2006), Effective Public Relations, 9th Edition: Pearson.
  • Grunig, James E. and Todd Hunt(1984), Managing Public Relations: Wadsworth Pub Co.
  • Long, L. W. and V. Hazelton(1987), "Public Relations: A Theoretical and Practical Response," Public Relations Review, 13(2), 3-13.
  • PRSA(2012), "About Public Relations," The Public Relations Society of America. https://www.prsa.org/all-about-pr/
  • Wilcox, Dennis L., Glen T. Cameron, and Bryan H. Reber(2014), Public Relations: Strategies and Tactics(11th Edition): Pearson Education Limited.
  • 井之上 喬(2015)「パブリックリレーションズ 第2版 戦略広報を実現するリレーションシップマネージメント」日本評論社
  • 公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会「パブリックリレーションズとは」 https://prsj.or.jp/shiraberu/aboutpr
  • 江良 俊郎(2019)「企業広報の基本と進化する手法」月刊経済広報, 41(4)

PESOモデルからSOEPモデルへ

デジタル時代における企業のマーケティングコミュニケーションは、PESOモデルに基づいて活動しているといわれています(Luttrell 2014)。

PESOモデルとは、Paid Media(広告)、Earned Media(パブリシティ)、Shared Media(ソーシャルメディア)、Owned Media(オウンドメディア:企業が運営するメディア)という4つのメディアの頭文字を取ったもので、これらのメディアを連携しながらコミュニケーション活動を最適化することを意味します(Dietrich 2018; Thabit 2015)。

Owned Media(オウンドメディア)は、自社のホームページだけでなく、企業が運営する潜在顧客や採用候補者向けのメディア、ニュースレター、ブログなど企業がコンテンツをコントロールできるものが含まれます。Shared Media(ソーシャルメディア)は、Twitterやインスタグラム、YouTubeなど、生活者が自由に意見や感想を投稿したり、共有したりできるメディア(プラットフォーム)のことです。

これまで、PESOモデルの頭文字“PESO”は、企業にとって重要なメディアの順番だといわれていました。しかし、ソーシャルメディアの急速な台頭によって、その優先順位が変わりつつあります。それは、“PESOメディア”から“SOEPメディア”への変化です。

Macnamara et al.(2016)がPR及びコーポレートコミュニケーションの実務家14ヵ国1,131人に対して2015年に行った調査によると、向こう3年にかけて重要なメディアは1位がソーシャルメディアで92.2%、2位がオウンドメディアで85.6%、3位が新聞社と出版社のオンラインニュースで83.8%となりました。双方向コミュニケーションを前提としたデジタル時代のコミュニケーションの優先順位は、“PESO”メディアから“SOEP”メディアへシフトしているのです(Macnamara et al. 2016)。
しかし、SOEPメディアはいずれも枠と場所を規定しているだけで、その枠と場所からどのような情報を発信すればよいのかといったコンテンツの内容やメッセージ、クリエイティブを規定するものではありません。ここで定義している「コンテンツ」とは、記事や画像、動画など多様な表現形態を用いて、主にインターネット上に無料で公開されている情報のことです。
消費者にとって魅力的でありながら、企業の利益に繋がるコンテンツを活用したマーケティング手法のことをコンテンツマーケティングといいます(Content Marketing Institute 2012; Wainwright 2015)。これはメディアの枠組みが多様化したことで発展した手法ともいえます。

参考文献

  • Macnamara, J., M. Lwin, A. Adi, and A. Zerfass(2016), "'PESO' Media Strategy Shifts to 'SOEP': Opportunities and Ethical Dilemmas," Public Relations Review, 42(3), 377-85.
  • Dietrich, Gini(2018), "PR Pros Must Embrace the PESO Model," in SPINSUCKS.
  • Luttrell, Regina(2018), Social Media: How to Engage, Share, and Connect: Rowman & Littlefield.
  • Thabit, Mark(2015), "How PESO Makes Sense in Influencer Marketing," in PR Week. Asia Edition ed. Hong Kong: Haymarket Media Limited.
  • Content Marketing Institute(2012), "What Is Content Marketing?," Vol. 2018. United States: Content Marketing Institute.
  • Wainwright, Corey(2015), "Content Marketing Strategy: A Comprehensive Guide for Modern Marketers," in Marketing Blog Vol. 2018. United States: HubSpot, Inc.

PRと広告の違い

ここでは企業の実務レベルで中核を担っているメディアリレーションズを中心とした狭義のPR(パブリシティ)と広告の違いについて説明します。

PRと広告の違いは、マーケティングの主体者(企業など)がメディアにお金を払っているかどうかです。PRは、メディアにお金を払わずに記事として情報を取り上げてもらいます。例えば、TVのニュースや新聞の記事として露出します。これをパブリシティといいます。一方で広告は、メディアにお金を払って広告枠を購入し、その広告枠の中で伝えたい内容を表現します。例えば、テレビCMやバナー広告などの広告枠の中で自社が伝えたい内容を映像やテキストで表現します。これが、PRは「Earned media(アーンドメディア=信用を獲得するメディア)」、広告は「Paid media(ペイドメディア)」と言われる所以です。情報の発信者という観点でみれば、PRはTV番組やWebニュースなどのメディアが情報の発信者となり、広告はメディアにお金を払う企業や団体が情報の発信者となります。そのため、情報の受け手は、PRで露出した記事や報道の方が広告よりも相対的に客観性が高い情報として受け止めます。広告は、企業が情報発信者の主体となっているため、企業が自ら伝えたいことを発信した情報として受け止めるのです。

PRと広告の違い

PR 広告
メディアとの金銭授受 メディアに対して金銭を支払わない メディアに対して金銭を支払う
情報が発信される場所 記事や番組などのニュース枠
第三者
メディアが料金設定
している広告枠
情報発信の主体者 記者や専門家などの第三者
横断して波及する
企業やブランドなどの広告主
受け手の印象 第三者が発信した情報のため
客観性が高く受け止められる
広告主が発信しているため
企業発の情報として
受け止められる
広告
メディアとの金銭授受 メディアに対して金銭を支払う
情報が発信される場所 メディアが料金設定
している広告枠
情報発信の主体者 企業やブランドなどの広告主
受け手の印象 広告主が発信しているため
企業発の情報として
受け止められる

今やメディアの種類は多様化し、PRはSOEPメディア(ソーシャルメディア・オウンドメディア・アーンドメディア・ペイドメディア)を多面的に活用してコミュニケーションを設計します。しかし、PR会社と広告会社の違いの原点は、メディアにお金を支払うか否かから始まっているといえるでしょう。

PR会社と広告会社の最も大きな違いは、それぞれのビジネスモデルにあります。PR会社は、事前に取り決めた納品物や作業時間に応じたフィー(作業報酬)をクライアントからもらいます。一方で広告会社は、媒体費や制作費の総額に対するコミッション(料率による手数料)をもらいます。これをそれぞれフィー制、コミッション制といいます。

コミッション制は媒体費や制作費の総額に対する料率による手数料になるため、予算規模が大きければ大きいほど広告会社が得る利益は大きくなります。例えば、媒体費が高額なテレビCMを使って、有名タレントを起用した映像を制作すれば、その分コミッション制に基づく手数料は多額になります。

PR会社は稼働工数に基づいたフィー制になるため、難易度の高い業務や業種、求める作業ボリュームによって費用が変動します。視点を変えれば、PR会社は人の稼働に対して費用が発生し、広告会社は仕入れるメディアに対して費用が発生するともいえます。したがって、PR会社にとっては会社や担当者に蓄積されているノウハウが重要であり、広告会社にとっては料率で一定の利益を担保できるメディアバイイング力が重要といえるでしょう。

PR会社と広告会社の違いビジネスモデルの視点

PR会社 広告会社
主なビジネスモデル 納品物や作業時間に応じた
「フィー(稼働工数)制」
媒体費や制作費に対する
「コミッション(手数料)制」
特徴1 TVからSNSまで同じ予算で
メディアの露出を狙える
予算に応じたメディアを
選ぶことができる
特徴2 会社や担当者のノウハウが
重要になる
マスメディアを中心に
プランニングする傾向がある
広告会社
主なビジネスモデル 媒体費や制作費に対する
「コミッション(手数料)制」
特徴1 予算に応じたメディアを
選ぶことができる
特徴2 マスメディアを中心に
プランニングする傾向がある

PR会社の種類と契約形態

PR会社は、それぞれの特徴により大きく二軸に分けることができます。

一つ目の軸は、従来のマスメディアのパブリシティを中心とした広報業務代行サービスのみを対象としているか、それともデジタル時代におけるSOEPメディア(ソーシャルメディア・オウンドメディア・アーンドメディア・ペイドメディア)を全て網羅した企画・制作・運用に関するサービスを提供しているかです。

二つ目の軸は、データを活用しているか否かです。デジタル時代のPRは、双方向コミュニケーションを前提としています。情報を一方的に発信するだけでなく、世論やステークホルダーの意見を傾聴することが必要です。では、具体的にどのように世論やステークホルダーの意見を傾聴するのでしょうか。その解はSOEPメディアにあります。

※SOEPメディアとは、ソーシャルメディア、オウンドメディア、アーンドメディア、ペイドメディアの頭文字を取ったもの。

ソーシャルメディアから自社や商品の評判を傾聴し、オウンドメディアに来訪しているユーザーを分析することで、世論やステークホルダーの意見を傾聴することができます。
そう考えると、情報発信の手段としてSOEPメディアを活用できるサービスを提供できているか、また、SOEPメディアから得られたデータを分析し、PR戦略や施策の振り返りに活用することができているかといった二軸で今日のPR会社の位置付けを整理することができます。

ビルコムは、SOEPメディアを活用した統合型PRサービスを提供しています。具体的なサービスは、1)現状分析、2)KGI・KPI設計、3)情報発信、4)効果測定といった4つのフェーズに分けて業務を行っています。現状分析では当該企業や商品に関するパブリシティ(報道内容)とソーシャルメディア(口コミ)のデータから競合分析を行います。

そうして導出した強みや弱みをもとに、具体的な重要目標指標(KGI:Key Goal Indicator)と、中間目標指標(KPI:Key Performance Indicator)を設定します。設定されたKGIやKPIを達成するために時流に応じたメッセージを開発し、複数のメッセージを紡ぎ合わせたPRストーリーを企画します。

その上で、どのメディアから、どのタイミングで情報を発信するべきかの施策を戦略的に立案します。オーディエンス、メッセージ、施策の一貫性を保ちながら四半期・半期単位でデータに基づく効果測定を行い、計画の修正・改善を繰り返します。

ビルコムの業務範囲

  • 1現状分析

    自社・競合記事 / 露出分析
    口コミ分析

    自社・競合記事 / 露出分析
    口コミ分析
  • 2KGI・KPI設計

    広報力スコア
    情報流通量スコア

    広報力スコア
    情報流通量スコア
  • 3情報発信

    メディアパブリシティ
    ソーシャルメディア・オウンドメディア活用

    メディアパブリシティ
    ソーシャルメディア・
    オウンドメディア活用
  • 4効果測定

    記者熱量の可視化・運用
    読者熱量の可視化・運用

    記者熱量の可視化・運用
    読者熱量の可視化・運用

PR会社の契約形態は一般的に、月額固定フィーで長期的にPR業務の支援を受ける「リテナー契約」と、単発的に発生するプロジェクト(新商品時の認知最大化や記者発表会など)ごとにPR業務の支援を受ける「スポット契約」に分かれています。しかし、PRに対するニーズは大企業からスタートアップ企業まで多様になり、またほとんどの業務を外注するのではなく、PR業務の内製化ニーズも増えています。そうした時代背景を受けて、ビルコムでは以下の6つの契約形態を用意しています。

1. リテナー契約

最もポピュラーな契約形態です。当社のほとんどのお客様がこの契約形態を採用されています。具体的には、a)現状分析、b)KGI・KPI設計、c)情報発信、d)効果測定といった業務のフレームワークを基に、SOEPメディア(ソーシャルメディア・オウンドメディア・アーンドメディア・ペイドメディア)を活用した統合型PRで、事業に貢献する活動を半年から年間にわたって支援しています。お客様の業種と課題に応じて最適なチームを組成し、効率的かつ効果的なソリューションを提供します。毎月のコンサルティング活動にかかる定額費(リテナーフィー)に加え、実施施策(イベント、動画、インフルエンサーの活用等)に応じた費用を組み合わせたソリューションをご提案します。

2. スポット契約

記者発表会やインフルエンサーマーケティング、オウンドメディアの制作など特定のプロジェクトを短期間で支援する契約です。伝えたいメッセージや事業における課題に対して適切なコミュニケーション施策を立案し、マスメディアに対するプロモート活動、ソーシャルメディアやネイティブ広告等を活用した拡散なども実施します。さらに、イベントの円滑な運営やクリエイティブのディレクションなども一貫してサポートします。リテナー契約を結びながら、特定の期間のみスポット契約を追加するお客様もいらっしゃいます。

3. 成果報酬型

特定のメディア・媒体への露出を目指す場合、通常のリテナー契約に加え、露出が確定した場合のみ追加で成果報酬を払う契約を締結する場合があります。不確実性が高いテレビ番組への露出やプレスツアーなどと組み合わせて用いられます。

4. エクイティ報酬型契約

スタートアップ企業など、長期的なサポートが必要な一方で十分な予算が確保できない場合、ストックオプションや第三者割当増資を引き受けることで統合型PRの支援を行います。ストックオプションや現物株式を引き受けつつ、採用ブランディングや新市場の開拓を行い、より高いコミットメントで企業価値向上に貢献します。

5. 人材常駐型契約

広報経験があるメンバーがいない、部署を立ち上げたが広報のナレッジがないという場合に、経験豊富なPRスタッフを常駐させ、OJT形式でPRのノウハウをレクチャーし、広報部内製化のニーズに対応します。完全に常駐する場合と、半常駐型の両方があり、お客様の課題や目標に応じてサービスを提供します。

6. IP(知的財産権)共同保有型契約

キャラクターやアプリなどをお客様と共同投資で事業開発を行い、そこで発生した知的財産権を共同で保有して統合型PRを支援する契約形態です。時流や消費者インサイトを熟知したPRスタッフや、当社が直接契約しているインフルエンサーがプロジェクトに参画し、不確実な事業リスクを回避するために商品開発から新事業・IPの立ち上げを共に行います。

ビルコムの書籍・論文紹介

書籍「広告をやめた企業は、どうやって売り上げをあげているのか。」

「広告がかつてのようには効かなくなった」
「かけた費用に見合うだけの効果が得られなくなった」
「広告の炎上がおそろしい──」

企業の担当者が広告にアタマを抱えるいまの状況は、なぜ起こっているのでしょうか。そして、そのようななかで企業は、どのように生活者に働きかけていけばいいのでしょうか。著者であるビルコムの太田滋氏は、現代の生活者の価値観や行動をつぶさに分析したうえで、

・企業からの発信ではないこと
・演出がないこと
・マイクロコンテキストをふまえていること

の3つが大切だと指摘します。そして、その条件を満たしたところにこそ、広告に代わる「つぎのコミュニケーション」があると説きます。

歴史ある国民的食品ブランドを復活に導いたり、高い技術に支えられてはいたものの知名度ゼロだったホーロー鍋を短期間のうちに「15ヶ月待ち」の予約状態にもちこんだりと、広告をつかわずに数々の企業の売り上げをあげてきたビルコム代表・太田がその知見をまとめた1冊です。


発行元:インプレス
価格:1,728円
発売日:2018年1月31日

※各エリアの書店のほか、下記をはじめとするオンラインストアでも購入可能です。
amazon.jp https://www.amazon.co.jp/dp/4295003085/
インプレスブックス https://book.impress.co.jp/books/1117101106
Rakutenブックス https://books.rakuten.co.jp/rb/15289379/

書籍「WebPRのしかけ方 ――広告だけに頼らなくても、モノは売れる。」

商品の長所をきちんと宣伝すれば、消費者に伝わる──とはかぎりません。「ライフスタイルに合わない」「自分とは無関係だ」と思った情報には、消費者は耳を貸さないからです。

消費者にモノを買わせたいのなら、まずは「耳を傾けてもらえる土壌」をつくる情報啓蒙からはじめること。そこでニーズを掘り起こし、興味や関心をもってもらったら、商品のすぐれた側面を消費者目線で訴求し、知ってもらう。さらに、商品のユニークさや価値を「比較」のなかで理解してもらい、最後に背中を押して「買い」をうながす──。

WebPRはそんな「ストーリー仕立て」のマーケティング手法です。

広告よりずっと低コストで、着実に消費者を購買へと誘導できるこのWebPRのノウハウを、本書ではユニクロのWebプロモーションを手がけるビルコム代表・太田があますことなく公開しました。


発行元:インプレス
価格:1,800円(税抜)
発売日:2009年6月26日

※各エリアの書店のほか、下記をはじめとするオンラインストアでも購入可能です。
amazon.jp https://www.amazon.co.jp/dp/4844327224/
インプレスブックス https://book.impress.co.jp/books/2722
Rakutenブックス https://books.rakuten.co.jp/rb/6084182/

論文「マイクロブログにおけるブランドリツイートの業種別生起モデルに関する研究」
Study of User-generated Brand-related Retweets: A Microblog Prediction Model among Different Industries

ビルコムの代表・太田の博士論文です。


論文URL:https://www.agulin.aoyama.ac.jp/repo/repository/1000/20873/20873.pdf
著者名:太田 滋

学位授与大学:青山学院大学
取得学位:博士(経営管理)
D.B.A.(Doctor of Business Administration)
学位授与年月日:2019年3月25日