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  • 2019年07月09日
  • セミナーレポート

ブランディングにプラスに働くコンテンツのつくり方・発見方法とは?

企業のマーケティング・PR担当者、さらには採用担当者の間で近年注目が集まるオウンドコンテンツ。しかし、現場では「重要性はわかっているけど、どんなコンテンツをつくればいいかわからない」「どのようにPDCAをまわしていけばいいかわからない」など、担当者の悩みの声は尽きません。読者を惹きつけ、日々改善・運用していくにはどんな視点で分析を行えばいいのしょうか?6月13日に開催した「ブランディングにプラスに働くコンテンツのつくり方・発見方法とは?」より、そのエッセンスをお届けします。



■登壇者
ビルコム株式会社 統合プランニング局
茅野祐子


クロストレックス株式会社 取締役(※1)
井上翔太


(※1)クロストレックス株式会社は、コンテンツマーケティングの戦略立案から制作、分析改善までを一気通貫でご支援している、ビルコム株式会社の関連会社です。

膨大な情報があふれる現代に必要なのは「ファンづくり」

インターネットが普及した2005年以降は情報流通量が爆発的に増え、総務省の調査によると、流通する情報のうち実に99.996%が生活者にスルーされているということがわかりました。(※2)このような状況においては、生活者の情報摂取を邪魔するような一方的な広告は、その企業やブランド自体にネガティブな印象を与えかねません。いかに生活者に興味を持ってもらうか、共感を抱いてもらうかを十分に考慮したメッセージ伝達手法が求められています。

(※2)総務省「平成23年版 情報通信白書」(2019年7月9日最終アクセス)

変わる消費者心理―AISASからPLSAへ

ソーシャルメディアが生活者に浸透した現代では、消費心理プロセスにも変化が起きています。これまでは「AIDMA」や「AISAS」が消費者心理のモデルとして提唱されていました。しかし、現在は生活者が自ら欲しい情報を選び、受け入れる傾向にあり、一方的な情報発信を嫌うようになりました。この変化を受けた消費心理プロセスをビルコムでは「PLSAモデル」とし、戦略設計のベースに置いています。



PLSAモデルでは、これまでのように一方的に情報を知らされる"Attention"ではなく、生活者が積極的に企業やブランドに対して興味を持つ"Perception"がスタートになるのが特徴です。その後、気になる企業や商品をメモに残す、スクリーンショットをとるなどしてリスト化します。記憶の中に留めたら、第三者の意見を参考にしながら時間をかけてじっくり評価をし、最終的な購買や申し込みにつながります。

情報発信設計がコンテンツの波及最大化の鍵を握る

情報が溢れかえっている中では、生活者が企業やブランドを知った際にどこまで興味や共感を抱いてもらえるかが、最終的なアクションまでプロセスを進める重要な要因になるといえます。

そのためには、ターゲットがどんなチャネルを使って情報を入手しているのかを熟考する必要があります。なぜなら、生活者は意識せずともPESO(Paid,Earned,Shared,Owned)メディア全てに網羅的に触れているからです。生活者は、自分が触れている情報が広告なのか、編集記事なのか、ということに対してあまり意識していませんが、情報の広がり方には波及のパターン(情報波及構造)が存在します。マーケティング・PR担当者は、こうした波及構造を意識して、いつどのチャネルで情報を発信するのか戦略的にプランニングすることが求められます。



大事なのは、PESOを状況に応じて連携させること。例えば、Ownedで制作したコンテンツを自社のソーシャルメディアで発信したり、メディアプロモートの素材として活用したりすることで、情報波及の最大化を狙うことができます。

ちなみに、最近は「PESO」ではなく、受け手が重要視する順番に並び替えて「SOEP」と言われることも増えており、SharedとOwnedの重要性がますます高まっていると考えられています。

コンテンツづくりの第一歩は「ブランディング・テーマ」を決めること

コミュニケーションの前提を整理したところで、実際のコンテンツづくりのポイントに入っていきましょう。オウンドコンテンツの運用を開始したばかりのときは、言いたいことがたくさんあったり、さまざまな部署から要望があったりと、コンテンツのカラーがバラバラになってしまうことがよくあります。そうならないためにも気をつけたいのが、「テーマに統一感」を持たせることです。コンテンツ作成時には以下3つの要素を意識的に取り入れることが大事になります。

▽①ニュース要素
時流や季節要素など、生活者が関心を持っているテーマを含めることが大切です。オウンドコンテンツだからといって自社の伝えたいことを一方的に伝えるだけでは、スルーする対象になってしまいます。生活者はどんなことに興味を持っているのか?どんな社会課題が話題になっているのか?生活者の視点で制作に取り組みましょう。

▽②ストーリー性
読むときに熱量を感じ、率直に「面白い!」と感じてもらえるかどうかが、コンテンツを継続して見てもらえるかの成否をわけます。そのためにも、抽象的な概念ではなく自社の事例など、できるだけ具体的なエピソードを書きましょう。書き手や取材相手の想いが伝わるような記事だと、読み手の印象に残りやすくなります。

▽③独自性
できれば自社ならではの、差別性ある取り組みを取り上げましょう。取り組み自体に差別性がなかったとしても、企業理念や企業の歴史に紐付いていたり、取り組みを始めるまでの経緯にユニークさがあったりなど、その企業ならではのエピソードは必ずあるはずです。想いや経緯など自社にしかない要素を取り入れることで、コンテンツの独自性や稀少性を高めることができます。

「人物コンテンツ」にはPR要素がふんだんに含まれている

前項でコンテンツに含めたい3つの要素をご紹介しましたが、この3つを網羅しやすいのが「人物をたてたコンテンツ」です。一人の人間が送ってきた人生やキャリアの中から紡ぎ出される言葉には、他の人には真似のできないストーリーや稀少性が含まれています。



そして、ここで大事なのは「会社」ではなく、「私」として意見を述べることです。会社のオウンドコンテンツに美辞麗句が書かれていても、「会社だから良いことを言っているんでしょ?」と生活者に思われてしまうことは避けられません。しかし、個々人が自分の体験をもとに率直に意見を述べることで、コンテンツの説得力を増すことができます。

オウンドコンテンツ制作のためにインタビューなどを通して掘り起こした内容は、メディアの人物取材コーナーにアプローチするためのPR素材としても活用することができます。

自社に"コンテンツ置き場"がない場合は?

人物コンテンツは、多くの企業が比較的取り組みやすいテーマだと思いますが、ここでよく聞くのが「オウンドメディアやブログなど、メッセージを発信する場所がない」というお悩み。このお悩みを解決する手法の1つに、外部のプラットフォームを活用することがあげられます。

ここで気をつけたいのが、プラットフォームの選定です。なぜなら、掲載されているコンテンツに統一感がなかったり、人物以外のコンテンツも混ざっていたりと、編集傾向が不明瞭なプラットフォームも多くあるからです。そのような場合は、記事ごとに読者が異なるため、サイト全体の固定読者が少ないというデメリットがあります。せっかく作成した記事が読まれないのは本末転倒なので、コンテンツを掲載するプラットフォームは慎重に選びましょう。

例えば、ビルコムが運営している「BRAND PRESS」は人物に特化したコンテンツのみを掲載しており、企業や個人が持つイノベーティブな取り組みや姿勢を発信しています。スポンサードの取り組みも行っており、自社でオウンドメディアを持っていない!といったお客さまの情報発信のプラットフォームとして活用いただくこともあります。

コンテンツ分析に必要な3つの指標

分析手法に関しては、クロストレックス株式会社・井上よりご紹介させていただきました。 コンテンツを制作したら、分析・改善を経てPDCAをまわしていくことが大切です。そのためには、「ターゲット」「指標」「時系列」3つのポイントをかけ合わせてコンテンツを分析する必要があります。グルーピングカテゴリはサイトの運用目的により異なりますが、参考事例を記載しました。

▽①ターゲット
サイトに訪れた人は、訪問頻度や回数、サイトに訪れるきっかけとなった流入元などが異なります。これらの人をまとめて分析をしても、適切な示唆が出せないことが多いです。そのため、サイトやコンテンツの目的によって、下記の人をグルーピングして分析することをオススメします。

<ブランディング目的の場合>
・初めて訪問する人
・何度も訪問する人
・〇〇から流入した人  など



これに加え...

<獲得目的(問い合わせ、購入、採用エントリーなど)の場合>
実際に成果につながった人をグルーピングしましょう。
・資料請求した人
・メルマガ登録した人
・問い合わせした人
・採用エントリーした人  など



▽②指標
サイトに掲載するコンテンツには、「集客」「閲覧・回遊」「成果」3つの役割をバランスよく持たせることが必要です。ブランディング目的においては「集客、閲覧・回遊」が、獲得目的の場合は3つ全てが重要な役割になります。

<集客>
サイトへの訪問を誘導するコンテンツです。多くの方に読んでもらえる内容かを精査することが大切です。

<閲覧・回遊>
サイト内の複数コンテンツを読んでもらい、サイトへの愛着度を高めるためのコンテンツです。訪問者に飽きられることのない内容であるか、他のコンテンツも読んでみたいと思わせる工夫がされているかを考慮しましょう。

<成果>
最終的な行動(問い合わせや購入)を促すコンテンツです。コンバージョンへの導線が適切に配置されてるかが重要な要素になります。



以上3つの役割で見るべき指標の例として、下記に表を作成しました。なお、記載している指標はGoogle Analyticsをベースとしています。



▽③時系列
時系列で見るべきは、以下の2つです。

<規則的な特徴の把握>
特定の期間に、PVやUUなど指標の増減に規則性はないか?

<特異点>
規則的な動きから異様な動きを見せているポイントはないか?



分析・改善は一朝一夕にしてならず

サイトやコンテンツの分析においては、「どんなターゲットがどんな記事を見ていて、時系列に何か変化あったのか?」を根気強く見ていく必要があります。最初の分析では見えなかったことが、2回、3回とデータが溜まることで見えてくる場合もあるからです。

以下に役割と3つの分析ポイントをかけ合わせた図を示します。サイトやコンテンツによって重点を置くポイントは異なりますが、一例としてご覧ください。








toC,toBの業態に関係なく、今や企業がオウンドコンテンツを所有することは当たり前の時代になりつつあります。ビルコムではクロストレックスと連携し、オウンドコンテンツの企画制作から分析・改善までを一貫してご支援しています。また、メディアプロモートやインフルエンサーマーケティング、Web広告配信など他の施策と掛け合わせることで、コンテンツの効果を最大化する取り組みも行っています。

「自社の事業理解を促進したい」「市場を新たに創るような取り組みをしたい」など、PRやオウンドコンテンツに関するお悩みをお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

 

(書き手・ビルコム株式会社 高橋)


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