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- 2013年07月01日
- PRノウハウ
【注目企業のPR術を学ぶ】とにかく来た球を全力で打ち返す~インタビュー:Wantedly CEO仲暁子さん (前編)
こんにちは、田中幸司です。
第1回として登場して頂くのが、ソーシャルリクルーティングサービス「Wantedly(ウォンテッドリー)」を展開するウォンテッド株式会社CEOの仲暁子さん。「Wantedly」は2012年2月に正式スタートを切り、注目を集めているソーシャルメディアを活かした採用広報支援サービス。
既存の求人媒体との違いで特徴的なのが、「ユーザーが企業に遊びに行く」という考え方にある。通常は履歴書を送って、その後すぐに面接へと続くが、「遊びに行く」ことでお互いの理解が深まるという。"誰と働くか"を意識したWantedlyならではの特徴だ。
現在のところ、ユーザー数は3万人を超え、属性としてはエンジニア、デザイナーが多い。それに対して、利用企業にはNTTコミュニケーションズやサントリーといった大手企業から、社員数名のベンチャー企業に至るまで、様々な求人情報が掲載されている。月間100社ペースで増えてきており、まもなく利用実績は1,000社を超える予定。また、既にWantedlyを通じて、転職した人は150名を超えたという。(2013年2月末現在)
オープンから1年でここまでの実績をもたらしたWantedlyのマーケティング活動について聞いた。
とにかく来た球を全力で打ち返す
スタート当初はどのようなPR活動をしていたのか?
「最初はあまり分からない状態でやっていました 笑。 あまり広報的な戦略もなく、とにかく来た球を全力で打ち返すだけでした。取材のあった日はくたくたになるぐらい。 2011年β版オープンの際に、これまでの繋がりからTechCrunchに取り上げてもらうことができ、それをきっかけに、徐々に取材や講演機会を頂くようになりました。」
スタート時の苦労はあったか?
「取材を受けている中で気づいたのですが、オープン当初はソーシャルメディアを使って仲間を集めるサービスと打ち出していたので、飲み仲間募集や、フットサル仲間募集などバラエティに富んでいて、使い手にとって、わかりづらいというのが課題でした。何度もサービスのフレーズを分かりやすくできないか模索していましたね。その後、利用状況を見ていくと、"仕事仲間募集"の反応が多かったので、2012年夏ごろから採用広報ツールに絞りました。」
リレーションと時流の重要性を痛感
日本経済新聞、AERAといったメジャーなメディアにも登場されているがどのようなアプローチをしたのか?
「これまでは、私からメディアの方へアプローチしたことありません。今のところ、過去の記事と私たちのブログを見て、取材につながっていて、その連鎖が続いているという状態。 ただ、最近になって強く感じるのが、メディアの方と仲良くなることの重要性です。日本経済新聞から取材頂いた際も、友人つながりで記者さんと食事をしたことが大きかった。 そこで打ち解けて、私もオープンに話をすることができ、興味を持ってもらったみたいで。 ほかにも、Yahooニュースに何回か掲載されたのですが、それも仲良くなったWebメディアの方がサービスについて義理で掲載してくれて笑 最近、リレーションの大切さに気づいてきましたね。」
メディアや記者と接するにあたって意識していることは?
「社会の流れです。でも、この重要性は本当につい最近感じ始めたという感じ。流れを掴むという点では、本の売れ行きはチェックするようにしています。それだけそのテーマを求める人が多いんだろうなと感じることができるので。安藤美冬さんの本や「ワーク・シフト」(プレジデント社)などの反響もすごいですよね。最近では、講演会や取材でもこのテーマを求められることも増えてきています。これまではあまり私が人材業界にいる意識が薄かったのですが、昨年末から何冊か本を読んで勉強しています。私のブログでも意識的に発信するようになりました。」
インパクトがあったメディア露出はあったか?
はい。ただ、媒体力の大きさはあまり関係ない気がします。というのも以前、「Tech総研」の取材を受けたのですが、その記事の影響が強かったと感じています。その時は、「プロ論。」「リブセンス<生きる意味> 25歳の最年少上場社長 村上太一の人を幸せにする仕事」といったインタビュー本を手がけていらっしゃる上坂徹さんに取材して頂きました。ズバッと深く切り込んでくるところがすごくて、釣られて思わず色々話しちゃいました笑 最終的には、キレイに言葉にまとめてもらえて。聞き手によって違いがあるので、誰に取材していただけるかというのも重要なのかなと思いました。」
(書き手 田中幸司 @bigpersonjp)
【注目企業のPR術を学ぶ】本企画は、若手起業家によるスタートアップ企業が注目される中、スタートアップ企業やベンチャー企業がどのようなマーケティング活動をしているのかに焦点を当てます。一般的にリソースが少ないと言われる企業が多い中で、活かせるヒントを得ることを狙いとしています。