日々発生するメディアでの記事掲載や、番組での露出などを収集した報道データには、様々な情報が含まれています。例として、日時・媒体名・広告換算費・担当記者・発行部数や視聴人数などが挙げられます。

そして、これらのデータを蓄積し、時系列の推移から傾向を読み取ることで、広報戦略や施策改善につなげるヒントを得ることができます。

 本記事では、報道データの時系列推移を分析し、改善のヒントを得る方法について解説します。

変曲点や異常値を見つける

まず、報道データの時系列推移を折れ線グラフで可視化し、そこから変曲点や異常値を見つけ、要因を深掘りすることで改善のヒントを得る方法を解説します。

変曲点と異常値のそれぞれの定義は以下です。

変曲点・・・増減の傾向が切り替わった箇所

異常値・・・他の測定値から極端に外れた値

報道データの推移から上記を見つけ、変曲点や異常値が生まれた要因を分析することで、報道量の増減に大きなインパクトを与えた訴求内容や切り口、報道内容について特定できます。

上図は、ある外食チェーンの話題について、Webニュースでの掲載数の推移を折れ線グラフで可視化したものです。

変曲点の時期から、報道量が増加傾向で推移しています。その前後の記事を深掘りすると「冬季限定の新メニュー発表」のプレスリリースをきっかけに、関連する記事が増加していることが確認できました。

 そして、記事の内容を読み込み、取り上げられている「訴求内容・切り口・写真などの素材」の傾向を確認することでメディアのニーズを把握します。把握した内容は、次回の季節限定メニュー発表のリリース配信の内容に盛り込むことで、よりメディアのニーズに即した情報発信内容にブラッシュアップでき、掲載数の増加など改善効果が期待できます。

また、異常値の時期は通常時と比べ、圧倒的に多くの掲載数が発生しています。

前後の記事を確認すると、TVのバラエティ番組内で、外食チェーンの冬季限定の新メニューが紹介・レビューされた内容が要因になっていました。

Webニュースの掲載数の増加からも反響の大きさが確認できたことから、次回の季節限定メニューについても同番組内で取り上げてもらえるよう、取材交渉に注力する判断に活かせます。さらに、オウンドコンテンツで発信する新メニューの情報発信内容にも、有識者などKOL（Key Opinion Leader）の方のレビューを強化することで、効果の改善が期待できるでしょう。

他データとの相関を分析する

続いて紹介するのが、売上やHPのアクセス解析データなどのデータと、報道データを組み合わせて相関分析をすることで、広報・PR活動の改善のヒントを得る方法です。

上図がその分析の一例です。黄色の棒グラフは、ある食品メーカーに関するメディア掲載によって発生したリーチ数、赤色の折れ線グラフはPOSデータを元にした売上について、時系列の推移を可視化しています。

黄色の棒グラフに注目すると、期間中に2回、リーチ数が大きく伸びているタイミングがあり、確認するとそれぞれTVの情報番組に取り上げられたことによるものでした。

しかし、赤色の売上の推移に注目すると、1回目のリーチ数の山の直後は売上が大きく増加している一方で、2回目のリーチ数の山の直後は大きな変化が見られません。この売上の推移に着目し、情報番組における取り上げられ方の内容について、差異を分析することで改善のヒントを得られます。

今回のケースでは、

1回目の情報番組…訴求内容：利用シーン、論調：ポジティブ（レポーターによる推奨）

2回目の情報番組…訴求内容：機能、論調：ニュートラル（機能紹介のみ）

という取り上げられ方の違いを確認できました。

このことから、売上の向上につながった1回目の情報番組の内容に近い紹介内容を、次回以降の取材で交渉したり、情報提供をする際に工夫したりすることで、売上への貢献効果を高める効果が期待できます。

「報道データの時系列推移分析」以外にも広報・PRに関する分析ノウハウを提供

以上、報道データの時系列推移から広報・PR活動の改善のヒントを得る方法についてご紹介しました。

報道データを自動で収集・蓄積し、グラフを用いて時系列推移も確認できるPR Analyzerには広報・PRの効果を可視化し、改善につなげるための機能が充実しています。お気軽にお問合せください。

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