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- 2024年08月28日
- PRノウハウ
技術やサービスを通して、お客様の成功体験を提供する企業でありたい。 アットホームが考えるPRの役割とは
不動産情報サービスのアットホーム様は、不動産情報メディアや不動産業務ソリューションなどの事業を通じて、不動産に関わる全ての方のお役に立つサービスを提供しています。今回は、アットホーム株式会社 マーケティングコミュニケーション部 広報室 広報グループ グループ長補佐 西嶋優理子様に、広報の立ちあげから現在に至るまでの背景やPRの役割についてお話いただきました。
語り手:アットホーム株式会社 マーケティングコミュニケーション部 広報室 広報グループ グループ長補佐 西嶋優理子様
2017年新卒で入社。広告やテレビCMを担当する部署を経て広報グループへ異動。広報の立ち上げ初期から参画し、現在は広報グループのグループ長補佐として、コーポレートおよびサービス全般に関する広報PRに従事している。
聞き手:ビルコム株式会社 シニアコンサルタント 倉地大輔
国内外大手クライアントのPR支援に従事。多くのBtoB企業のコミュニケーション戦略設計、メディアリレーション構築、メッセージ開発などに携わる。広報効果測定ツール「PR Analyzer®」のデータ分析に長け、社内資格「PRアナリスト」有資格者としてデータから戦略的なPRを実行している。
目次
・社名認知と事業理解を深めるために。3つの軸に絞って行った広報活動
・社内を巻き込んだPR活動で事業に貢献
・アットホームの強みを活かす広報活動
・自社技術やサービスを通して、成功体験を提供できる企業でありたい
・まとめ
社名認知と事業理解を深めるために。3つの軸に絞って行った広報活動
広報グループのミッションを教えてください
広報グループは、コーポレート全体の広報活動と当社で扱っているサービスの広報PR全般を担っています。具体的にはアットホームが加盟店向けに発行している機関誌「at home TIME」の製作や定期的に行っているトレンド調査の調査企画なども行っています。
我々のミッションはアットホームの社名認知と事業理解の向上だと考えています。アットホームの不動産情報ネットワークは、全国の不動産会社を「情報」でつないでいます。広報としては、事業を通じて不動産に関わる皆さまに役立つ情報を提供していることを、明確にわかりやすく世の中に打ち出していくことが責務であると考えています。
広報・PRを行う上で感じた課題や課題解決に向けて取り組んだことを教えてください
2019年にビルコムさんと一緒にPR活動を始めた当初は、アットホームという名前を聞いたことはあるものの、具体的にどのような会社なのか正しく理解されていない、という大きな課題がありました。
当社は不動産に関する情報サービスを提供していますが、消費者や採用候補者の方には、不動産仲介や管理などを行う不動産会社であると誤認されているケースが多く見られました。
また、1967年に創業した当時からお付き合いのある不動産会社などにも、当社が不動産DXを推進し、AIを活用したサービスを展開していることなどをあまり認知されていないことも課題のひとつでした。昔からアットホームをご存知の方は、物件図面を作成・配布する会社、というイメージをお持ちの方が多く、当社が最先端の技術を活用し、時代に沿った事業を展開していることを、もっと理解いただく必要があると考えました。
こうした課題を解決するために、まずは3つの軸に絞って広報活動に取り組みました。①不動産DXやAIの活用、②住まい探しのノウハウ、③不動産市況です。この3つを発信していくために、メディア取材の獲得やセミナー登壇、記事の連載など、アクションを増やすことに注力しました。不動産市況に関しては、価格動向などを毎月調査レポートとして発表しています。その結果、当社のサービス内容や事業が世の中に認知され、正しく理解いただけるようになったと感じています。
最近はコーポレート広報にも踏み出し、サステナビリティ活動も積極的に情報発信しています。国土交通省が募集した「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」の実施事業者に採択され、各自治体の空き家等の情報を集約した「アットホーム 空き家バンク」の運営などはその一例です。情報項目の一元化や情報量の確保によって、空き家などの活用を検討している消費者の方へ分かりやすく発信する仕組みを構築しています。こうした活動をより多くの人に知っていただけるよう、会社の取り組みに関する情報発信も強化していきたいと考えています。
社内を巻き込んだPR活動で事業に貢献
PRは会社全体にどう貢献していますか?
ビルコムさんにご支援いただく前は、社内でPR活動の重要性を十分に理解されていない状況でした。プレスリリースを出すにあたり、サービスの詳細を他部署にヒアリングしたり、取材の協力をいただいたりと回数を重ねることで徐々にPR活動についての理解が深まっていきました。社内へは、記事が掲載されたときやプレスリリースが公開されたタイミングに必ず共有するようにしています。自分が携わったプレスリリースが記事化されたり、取材を受けた内容が掲載されているなど、社員自身が事業のPRの一部を担っている、と実感してもらうことが大切だと考えているためです。こうした積み重ねによって、今では他部署の方から「こういうネタでプレスリリースを出すことはできる?」といった相談を受けるようになりました。
地道な活動ではありますが、各部署の会議に出席して社内の動向を把握することも行っています。サービスのローンチ予定や次に発表される情報など、早めにキャッチアップするよう心がけています。プレスリリースを出す際には、ニュース性や業界へのインパクトの有無などを考慮しますが、判断するためにはやはり他部署からの情報やヒアリングが必要不可欠です。こうした社内活動を行うことで、リリースではどのような内容が効果的なのかという理解が進んでいると感じていますし、PRを自分ごと化して考えてくれる社員が増えたことで、社内全体で広報・PRに対する意識が高まっていると感じています。
他にも、月に1回、経営層へ向けた定期報告会を実施し、ビルコムさんのPR Analyzerを活用してPRの効果を数値で報告しています。効果を可視化することができるので、我々広報グループの活動がどの程度事業に貢献しているか、PR活動がどれぐらい進化しているのかを経営層に把握していただけるように努めています。PRの成長を数字で追えることは、私自身、そして広報グループメンバーの業務に対するモチベーション向上にもつながっています。
アットホームの強みを活かした広報活動
PRのパートナーとして、ビルコムを選んで感じることを教えてください
PRに注力する以前は、メディアとのリレーションがあまりなく、業界紙やビジネス媒体へのアプローチを行っていませんでした。ビルコムさんと一緒にPR活動をするようになってからは、業界誌やビジネス媒体を中心にアプローチして掲載実績を積むことができています。特に業界誌は当社の加盟店の方々もご覧になります。広報・PRする上で非常に重要な媒体であることを再認識した上で、「不動産のことならアットホーム」と思っていただけるようなメッセージや切り口を一緒に考えて発信しています。ビルコムさんにご協力いただくようになってからテレビの取材を受けることもあり、非常に大きな成果であると考えています。
当社のグループ会社にアットホームラボという人工知能領域に関する研究・開発を行っている会社があるのですが、先日、不動産物件の間取り図から部屋の特徴を抽出するAIモデルで特許を取得しました。不動産×AIの取り組みが媒体に掲載されたことで、他社からのお問い合わせなど多くの反響を得ており、PRの効果を実感しています。
また、当社にとっては新たな取り組みとして、昨年プレスセミナーを2回開催しましたが、すごく価値のあるものになったと感じています。当初はメディアの方々とのリレーション強化を期待していましたが、ビルコムさんにアドバイスいただいた結果、テレビや雑誌などにも取材していただき、掲載までつなげることができました。記者向けに誘致レターを作成する際には、どういう内容であれば記者の方に興味を持っていただけるかなど、メディア視点での意見をいただき非常に勉強になります。経験を積み重ねることで、セミナーやイベント、プレスリリースの質向上にもつながっていると感じています。
自社技術やサービスを通して、成功体験を提供できる企業でありたい
今後の展望について教えてください
今後は、社員が自社の記事を見つけて誇りに思ってもらえるよう、PR活動や掲載情報などを社内に還流していきたいと考えています。メディアへの露出量が徐々に増えてきて、以前に比べて社内でのPRへの関心が高まっています。自社がインパクトのあるPR活動を行っていることをもっと社内で認知してもらうことも、インナーブランディング活動のひとつとしてとても重要だと考えています。そのためには露出の量だけではなく質にもこだわった掲載が獲得できるよう、引き続き挑戦したいと考えています。
当社は、「人」と「技術」で不動産会社の皆さまのお役に立ちたいと思っています。そう考える背景には、広報の土台を1から一緒に積み上げ、データという技術でPRの効果を可視化し、PRを通して共に成長していける心強いビルコムさんの存在があります。ビルコムの皆さんが私たちにとってそうであるように、当社も自社技術やサービスを通して、お客様の成功体験を提供する企業でありたいと考えています。
ベンチャー企業など、さまざまなTech企業が増えている中で、当社は61,000店以上の不動産会社が加盟するネットワークといった長年築き上げてきた関係性があります。このような当社の強みを活かして、不動産DXや不動産におけるAI活用を今以上に認知いただき、多くの方に活用いただきたいです。そして、不動産にかかわる全ての方に役立つサービスを提供していく企業であること、不動産情報サービスにおいては唯一無二の存在であることを、PRの力でさらに広めることに尽力したいと思います。
まとめ
以上、最後までお読みいただきありがとうございます。
本記事では、アットホーム株式会社 マーケティングコミュニケーション部 広報室 広報グループ グループ長補佐 西嶋優理子様に、広報の立ちあげから現在に至るまでの背景やPRの役割についておうかがいしました。
ビルコムは、PRの基盤を一緒に構築し、事業に貢献する統合型の広報・PRを行う会社です。新たなコミュニケーションの設計など、お気軽にご相談ください。
書き手:ビルコム株式会社 川島弓奈