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- 2022年04月05日
- PRトレンド
2022年春、賑わいをみせる「ヌン活」市場
習慣デザイン研究所 研究員の田中です。定番ブランドの活性化、新市場の創造・定着に関心ある企業様に活用いただくべく、新カテゴリや新習慣を創出するためのコミュニケーション、PR手法について事例研究を行っています。
「アフタヌーンティー」市場の活性化
今回扱う事例は「ヌン活」です。「ヌン活」とは「アフタヌーンティー」を楽しむ活動のことを指しており、2021年後半から市場が活性化しています。「ヌン活」と検索をすると、コンラッドやマリオットなど多くの有名ホテルがアフタヌーンティーのプランに力を入れていることがわかります。これまでにも腸活、ソロ活など特定市場をラベリングするときに「◯活」と表現されますね。
【転載元】コンラッド東京のアフタヌーンティー
イギリスの文化に代表されるアフタヌーンティは、スコーンやサンドイッチ、紅茶などがセットとされ、道楽であったり、誕生日や結婚前のイベントだったりで開催されているようです。それに対して、昨今日本で広がる「ヌン活」は季節感を感じるフルーツやディスプレイなど、独自の進化を遂げているように感じます。
Instagram上での#ヌン活投稿画像
2022年春に大きくブレイク
PR Analyzerを用いて、2021年4月以降の「ヌン活」に関する記事掲載数(上図、WebとTVのみ、リリース転載関連は除く)を見てみると、昨年秋に掲載数が増え、今春にかけて右肩上がりで掲載数が伸びています。また、リーチ数(下図)のグラフを見てみると12〜2月の間はあまり伸びていません。この差はリーチ数の大きいテレビの報道量に起因しています。昨秋と今年3月以降はテレビ露出がありましたが、冬の3ヵ月は無かったことでリーチ数が少なくなっています。昨秋に比べると今春はリーチ数が2倍以上となっており、テレビの報道量が一気に増えていることがわかります。今春から、「ヌン活」プランを提供する有名ホテルが増え、プラン内容に季節性が盛り込まれ、画映えするようになったことが考えられます。
図上:「ヌン活」に関する掲載数
図上:「ヌン活」に関するリーチ数
~掲載記事例~
番組:news every.(2022年03月3日、278秒/1,958,000人)
アフタヌーンティーで春を満喫 お花見気分”ヌン活”プラン続々
神奈川・横浜市の「横濱ハイカラきもの館」では、袴で着飾り横浜市内のホテルでアフタヌーンティーが楽しめるプランを始めた。コロナ禍で外国人観光客の需要が減る中、卒業式の出来なかった学生さんなどコロナで我慢してきた人たちの、新たな船出にエールを贈りたいと企画されたとの事。
番組:あさイチ(2022年03月29日、144秒/3,141,000人)
達人直伝!「ヌン活」のコツ
ゆかりーぬさんが横浜で「ヌン活」にお邪魔して初心者向けアドバイスを紹介。ポイントは、始まりが大事。しばらくロビーで過ごし、非日常の世界に気持ちを切り替えるステップにする。アフタヌーンティーは食事。塩気のあるものを残しておくことも大事。
*PR Analyzer上のクリッピングデータを引用
「ヌン活」人気の背景と今後の動向はいかに
アフタヌーンティー自体は以前から存在していましたが、昨今盛り上がりを見せている背景にはやはり新型コロナによる環境変化があるようです。ホテル側はお酒を伴う食事機会が制限される中、「ヌン活」に商機を見出しています。一方の生活者側、特に「ヌン活」を実施する中心層10〜20代において、海外旅行や飲み会に代わる少しリッチなイベントとして利用する傾向にあるようです。
今春のテレビ露出を見ると、視聴者層の年齢が高めであるNHKや夕方のニュース番組でも紹介されており、今後は利用者層の拡大が予想されます。それらを見越して、ホテル、カフェの参加がさらに増えてくることでより大きな市場を形成していくことが期待されます。
新市場やカテゴリー創造に関心のある方はこちらへ
<参考記事>
女性が生み出す6.9兆円の市場
―アフタヌーンティーは都心高級ホテルを救えるのか
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