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  • 2022年08月02日
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【セミナーレポート】カンヌライオンズ2022受賞作から読み解く!世界のPR手法

2022年7月14日に、「カンヌライオンズ2022受賞作から読み解く『世界のPR潮流』」セミナーを開催しました。当日のセミナーレポートをお届けいたします。

 

受賞事例の傾向

カンヌライオンズ2022グランプリ作品から読み解くPRトレンドとして、下記のような傾向があると考察しています。

1 BoldなブランドメッセージをXRやメタバースで体現
2 社会課題を解決する仕組みやプロダクトを実際につくる
3 Goodな取り組みに新しいアイデアをかけ合わせて大きく話題化

よくあるPRの手法や取組み、シチュエーションであっても、新しいアイデアをかけ合わせることで大きな成果となり、コミュニケーションの可能性を広げることができる、ということを証明したのではないでしょうか。上記内容を踏まえ、今年のカンヌライオンズ2022受賞作をいくつか見ていきましょう。

 

グランプリ受賞事例

▽Decathlon(キャンプ・スポーツ用品店)The Breakaway -The first eCycling team for prisonersの事例

 「We make sports accessible for the many ~より多くの方々にもっとスポーツを~」というミッションを掲げる、フランス発のキャンプ・スポーツ用品店Decathlonの事例です。ブランドパーパスに「全ての人にスポーツとその恩恵を享受できるようにすること (to make sport and its benefits accessible to all)」を掲げています。「Sports is Freedom」というメッセージ発信を目的に、自由が制限されている受刑者と、世界中の人々が「Zwift」というメタバースアプリを使った自転車レースを行いました。自由が制限されている象徴的な受刑者が、メタバース上でのレースに参加したことにより、スポーツは自由であるというメッセージと共に、スポーツによって社会性を取り戻すキッカケになることが伝わる作品になっています。

 

▽VICE(メディア)The Unfiltered History Tourの事例

世界30か国以上に支部を持つデジタルメディアVICEの事例です。大英博物館の展示物の中には、戦乱や植民地化などによって略奪され、飾られているものが多くあります。その真の歴史を伝えるべく、実際の展示物にスマートフォンをかざすと”ウラの歴史”を知ることができるARアプリによって、大英博物館のゲリラ・ツアー体験を実現しました。略奪にあった国の人の声で解説されることで、メディアとして物事の裏側に迫る姿を体現した内容となっています。

 

▽We Capital(金融機関)Data Tiendaの事例

メキシコのWe Capitalが実施したData Tiendaの事例です。女性の経済的な自立が進んでいないメキシコでは、大多数の女性はクレジットによる信用履歴がないため、ローンの申し込みなどが女性起業家の障壁となっています。メキシコの女性起業家らを支援するWeCapitalは、”クレジット履歴のなさ”を覆すため、近所の店でのツケ払い履歴のデータを信用履歴として活用できるプラットフォーム「DataTienda」をつくりました。これにより、23%の女性が起業するにあたってマイクロクレジットを受け取ることができました。近年のカンヌ受賞作では、仕組みからつくりあげるプロジェクトが多く見受けられます。

 

▽Dole(青果ブランド)Pinatexの事例

廃棄されるパイナップルの葉を使ってエコレザーをつくったDole and Ananas Anamの事例です。動物愛護の観点から、リアルレザーや化学繊維を使わないと宣言されるアパレルメーカーが近年増える中、ビーガンで動物虐待などがなく、持続可能な革の代替品として第三の素材「Pinatex」を開発しました。動物愛護・環境配慮(廃棄資源の有効活用)だけでなく、パイナップル農家の雇用や売上創出にもつながる施策です。「Pinatex」は現在200以上のブランドから採用される素材となっています。

 

▽Sheba(ペットフードブランド)Hope Reefの事例

ペットフードブランドShebaの事例です。Shebaでは、2029年までに世界中で185,000㎡を超える珊瑚礁を回復させることを目標としています。多くの団体が既にサンゴ礁の保護活動を行っていますが、Shebaはサンゴ礁を回復させるために、周辺地域の人たちが手作りした星型の固定具「リーフスター」を使用しました。水面下で結合されることで、海底をカバーすることができ、珊瑚の断片が再成長するための安定した土台となります。このプロジェクトは、2021年にインドネシアのスラウェシ島沿岸で初公開され、海面に「HOPE」の文字を浮かびあがらせました。文字を生成したことで、Google Earthから見ることが可能な生きた看板として伝えられ、特異かつ先進的な事例として評価されたと考えています。

 

▽Wingstop(ファストフードチェーン)Thighstopの事例

手羽先のフライドチキンをメインとしたメニューを販売する、アメリカのレストランチェーンWingstopのeコマース施策「THIGHSTOP」です。新型コロナウイルスの流行もあり、テイクアウト需要が急増する中、鳥の飼料にかかるコスト上昇によって、アメリカでの手羽先の価格がコロナウイルス流行以前の2倍以上に上昇。もも肉以上の価格になってしまいました。そこでWingstopは、手羽先の代わりに鶏もも肉を使った商品を販売するオンライン販売の限定ブランドThighstopを立ち上げました。ブランドのプロモーションとして、CMではwingという単語を無理矢理thighに替えたり、Wingstopの紙袋やデリバリーの車にThighstopのロゴシールを貼ったりするなど、自らブランドをジャック。手羽先の供給不足をネガティブに報道するのではなく、ブランドをジャックしてプロモーションすることでポジティブなコミュニケーションへと転換し、大きな話題を呼び売上に寄与したことが評価されたと考えられます。

 

カンヌライオンズの審査基準

カンヌライオンズの審査基準は以下のように設けられています。

1,Impact&Results(30%)
2,Idea(20%)
3,Strategy(30%)
4,Execution(20%)

Resultsが30%を占めており、世界的に見てもPRの成果が重要視されていることが分かります。コミュニケーション施策のResultsの測り方について、カンヌライオンズアワードのチーフは「力強く明確、計測可能であること」「目的・ゴールに紐づいていること」が非常に重要であると語っています。

 

PRのResultsを測る、効果測定の指標例

ビルコムでは、PRの効果測定の指標を「アクション」「アウトプット」「アウトカム」と定義し、量と質の観点から把握することを推奨しています。このような指標を整理し、コミュニケーション施策の成果を測ることで、PR活動の相対的な成果を示すことができると考えています。

※ビルコムでは、企業フェーズにあわせた効果測定の指標設計ポイントや広報効果測定の設計手法PRにまつわるセミナーを定期的に開催しています。ご興味のある方は是非HPよりお申し込みください。

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