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- 2023年03月16日
- PRトレンド
PR発想で考える、新しい食習慣の作り方 〜なぜマリトッツォは習慣化しなかったのか?
習慣デザイン研究所 研究員の田中です。定番ブランドの活性化、新市場の創造・定着に関心ある企業様に活用いただくべく、新カテゴリや新習慣を創出するためのコミュニケーション、PR手法について事例研究を行っています。
また、ビルコムではマーケティングや広報担当者向けにセミナーを開催しています。中でも「PR発想で考える、新しい食習慣の作り方」においては、食品関連のマーケティング、販促担当者が1年間で300名以上参加され、多くの支持を頂戴しています。今回は本セミナーの内容を一部ご紹介します。
~セミナー参加者の感想~
- 食習慣化することで市場拡大へつなげる仕組みを理解できました
- フレームワークへの落とし込みが分かりやすく、大変参考になりました
- 5つのフレームワークに当てはめていただいたので、納得性があり、わかりやすかった
- 5つの食習慣設計ポイントを利用し、ぜひ自社の製品やレシピに関連づけたいと思いました
- 自社開発製品などのPRのポイント、具体的な成功事例をコンパクトに説明いただき、大変わかりやすかった
既存習慣を活かすか、新習慣を創るか
まずはじめに新しい食習慣が生まれるパターンは2つあると考えています。 1つ目は「既存習慣の活性化」です。カレーライスやしょうが焼きなど、既に定着している食習慣に新しい付加価値を加えていく考え方です。
例えば、カレーが認知症予防に効くという話を知れば、中高年世代においてはカレーを喫食する頻度を増やす人が出てくるでしょう。なぜ認知症予防に効くのか、いつどんな食べ方をするのがより効果的なのか、そういった情報をPR活動を通じてていねいに発信していきます。その際、客観的なファクトや専門家の意見を通して伝えることで、信頼性や納得感が増し、習慣化も促されます。
参考記事:カレーとビールが効く!? 認知症予防薬を開発した博士の「認知症予防食」とは
2つ目は「新習慣の創造・体験」です。これまで聞き馴染みのないような食品、レシピ、調理方法などをPRすることで、新しい食習慣を創造し、定着を目指していく考え方です。
例えば、最近では次第に浸透してきた「大豆ミート」は栄養価の高さや環境問題への貢献など、様々なメリットから注目されました。動物性タンパク質より、植物性タンパク質を好む方を中心に、喫食する機会も増えているのではないでしょうか。
なぜマリトッツォは食習慣化しなかったのか?
2021年に「マリトッツォ」がとても話題になり、メディアでもよく見かけたかと思います。クックパッドの食トレンド大賞も受賞しましたが、食習慣という状態まで定着はしていません。東洋経済オンラインで報じられた分析記事でも、「マリトッツォ」は一過性の検索数推移を示していました。(グラフの黄色線)
書籍「習慣の力」によると、習慣のメカニズムは「きっかけ」「ルーチン」「報酬」の3つが揃う必要があるとされています。これらを繰り返し、時間が経過するにつれ、次第に無意識化し習慣が生まれていきます。そして、これら基本的なメカニズムとビルコムがこれまで経験してきたPRプロジェクト事例を元に、以下のオリジナルフレームワーク「食習慣ファイブ」を開発しています。
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5つの要素とマリトッツォを照らし合わせてみると、満たしていない要素があったり、「理由付け」が弱かったりしていました。全体的に、習慣化するにはインセンティブが弱いと言えるでしょう。
一方で、近年で習慣化を見せている事例として「甘酒」が挙げられます。元々は、一年の豊作を願って正月に飲むイメージが強かった甘酒ですが、美容や美肌効果に注目が集まり、日常でも喫食する機会が増えました。トップモデルや医者などのイノベーター層がSNSで発信し始めたことも普及を加速させました。
参考記事)伸びる甘酒 ブームから定着へ 積極投資で市場活性化
Googleトレンドで検索数の推移を見てみると、2016~2019年あたりに盛り上がりを見せ、その後も以前に比べると一定の検索数を維持しています。
皆さんが担当している商品やレシピでは、この5つの要素を満たしているでしょうか?ぜひ振り返ってみてくださいね。当社セミナーでは、食習慣作りのフレームワーク活用方法から、PR戦術や成功事例に至るまでを詳しく解説しています。ぜひお申し込みください!
セミナー一覧:https://www.bil.jp/seminar/
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