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広報とPRの違いとは?意味と関係を図解|PR会社が実務での使い分けまで解説【2026年版】

※最終更新日:2026年10月13日 
本記事は2025年9月公開の記事を、2026年時点の情報をもとに加筆・更新したものです。

 

広報とPRは、日本ではほぼ同じ意味で使われる言葉です。ただし実務では、PR(Public Relations)は組織と社会の関係づくり全体を指す考え方、広報はその中で主に情報発信を担う機能や部署を指して使われることが多く、この「広い意味」と「狭い意味」の混在が混乱のもとになっています。

「広報とPRって、結局何が違うの?」「うちは広報部だけど、やっていることはPRでは?」。こうした疑問は、広報・PRの担当者からもよく聞かれます。

本記事では、両者の関係を日本広報学会の定義をもとに整理し、実務での使い分けや成果の測り方まで、PR会社の視点で解説します。

 

広報とPRの違いは?

実務の言葉としては、PRが「組織と社会の関係づくり全体」を指す大きな概念で、広報はその中で情報発信を担う機能です。

PRという大きな傘の中に、広報やIR(投資家向け広報)、社内広報などの活動が含まれていると考えると整理しやすくなります。

PR(パブリック・リレーションズ)

組織と社会の望ましい関係づくり全体

広報

社外への情報発信・メディア対応

発信

社内広報

社員への情報共有・一体感の醸成

発信

IR

株主・投資家への情報開示

発信

広聴

社会や顧客の声を聴く

受信

発信と受信の双方向で、社会との信頼関係を築く

図:PRと広報の関係(実務で使われる「狭い意味」の広報の場合)

項目広報PR(パブリック・リレーションズ)
言葉の成り立ち Public Relationsの訳語として日本で定着 20世紀初頭にアメリカで発展した概念
実務での主な意味 情報発信やメディア対応を担う機能・部署 組織と社会の関係づくり全体を指す考え方
情報の流れ 発信が中心 発信と、社会の声を聴く「広聴」の双方向
よく使われる場面 部署名・職種名(広報部、広報担当) 戦略や考え方(PR戦略、統合型PR)

ただし、この区別はあくまで実務での使われ方です。次の章で紹介するとおり、学術的な定義では「広報」もPRと同じく双方向で関係を築く広い概念とされています。

 

広報とは?

広報には、学術的な定義としての「広い意味」と、実務で使われる「狭い意味」の2つがあります。

広い意味:日本広報学会の定義

日本広報学会は、2023年に広報の定義を次のように定めています。

組織や個人が、目的達成や課題解決のために、多様なステークホルダーとの双方向コミュニケーションによって、社会的に望ましい関係を構築・維持する経営機能である。

この定義では、広報は一方的な情報発信ではなく、双方向のコミュニケーションで関係を築く「経営機能」とされています。つまり、広い意味の広報はPRとほぼ同じ概念です。

出典:日本広報学会「広報概念の定義」

狭い意味:実務での使われ方

一方、企業の現場では「広報」は、文字どおり「広く報せる」情報発信の機能を指すことが一般的です。広報部や広報担当という言葉は、プレスリリースの配信やメディア対応を担う部署・人を指して使われます。

なぜ混乱するのか

広報とPRの違いがわかりにくいのは、「広報」という一つの言葉が、広い意味と狭い意味の両方で使われているためです。

広報の意味指すものPRとの関係
広い意味(学術的な定義) 双方向で社会と望ましい関係を築く経営機能 PRとほぼ同じ
狭い意味(実務での使われ方) 情報発信・メディア対応を担う機能や部署 PRの一部

社内外で「広報」「PR」という言葉を使うときは、どちらの意味で話しているのかをそろえるだけで、議論がかみ合いやすくなります。

 

PRとは?

PRとは「Public Relations(パブリック・リレーションズ)」の略で、組織とステークホルダーの間に信頼関係を築く活動のことです。

顧客、株主、従業員、地域社会、メディアなど、組織を取り巻く多様な人々と、相互に利益のある関係を築き、維持することを目指します。情報を発信するだけでなく、社会の声に耳を傾ける「広聴」も含む、双方向の考え方です。

PRの意味や読み方、主な手法については、PRとは?広告との違いとAI時代の役割で詳しく解説しています。

 

広報・PRの仕事内容は?

広報・PR担当者の仕事は、社外への情報発信から社内コミュニケーション、危機管理まで多岐にわたります。

仕事内容主な相手
メディアリレーションズ テレビ、新聞、雑誌、Webメディアの記者と関係を築き、自社の情報をニュースとして取り上げてもらう 記者・編集者
プレスリリースの作成・配信 新商品、新サービス、経営情報、調査結果などを、メディア向けの公式文書として発信する 記者・編集者
取材対応・記者会見の運営 取材依頼に対応し、重要な発表の際は記者会見を企画・運営する 記者・編集者
オウンドメディア・SNS運用 自社ブログ、公式サイト、公式SNSで、顧客やファンに直接情報を届ける 顧客・生活者
採用広報 ビジョンやカルチャー、社員の魅力を発信し、将来の候補者との関係を築く 採用候補者
社内広報 経営方針やビジョンを社員と共有し、組織の一体感を高める 社員
IR 経営状況や戦略を投資家に伝え、信頼関係を築く 株主・投資家
危機管理広報 不祥事や事故の際に、迅速かつ誠実に情報を開示し、信頼の回復に努める 社会全体

これらは狭い意味の「広報」の仕事であると同時に、すべてが「組織と社会の関係づくり」というPRの目的につながっています。

 

実務では広報とPRをどう使い分ける?

実務では、言葉の違いより「その部署や担当が何を目的に、どこまでを担うのか」をそろえることが重要です。

部署名の違い

企業によって「広報部」「PR部」「広報PR室」「コーポレートコミュニケーション部」など名称はさまざまです。名称が違っても、担う仕事が同じことは珍しくありません。

部署名の例よく見られる役割の傾向
広報部・広報室 メディア対応、プレスリリース、社内広報など、情報発信の実務
PR部 商品・サービスの話題づくりやキャンペーンなど、マーケティングに近い活動
広報PR室 情報発信と関係構築の両方をまとめて担う
コーポレートコミュニケーション部 広報、IR、社内広報、ブランディングなどを統合して担う

※役割の分け方は企業によって異なります。上記は一般的な傾向です。

PR会社と社内の広報部門の役割分担

PR会社は、社内の広報部門だけでは手が回りにくい領域を補う存在です。たとえば、戦略立案、メディアとのネットワークを生かした情報提供、調査PRやイベントの企画、効果測定などです。一方、経営との距離が近い情報の取りまとめや、社内の調整は、社内の広報部門にしかできない仕事です。両者の役割を明確にすることで、PR活動全体の成果が上がりやすくなります。

「PR」が宣伝の意味で使われるケース

SNSの投稿や記事で見かける「PR」という表記は、パブリック・リレーションズではなく、広告であることを示す表示です。2023年10月から、広告であることを隠した宣伝(ステルスマーケティング)は景品表示法の規制対象になりました。日常の「自己PR」も、アピールの意味で使われています。本記事で扱う「PR」とは意味が異なるので注意が必要です。

 

広報・PRと広告は何が違う?

最大の違いは、情報の発信者が誰かです。

広告は企業が費用を払って枠を買い、自ら発信します。広報・PRは、メディアなどの第三者に「社会的に価値のある情報」として取り上げてもらう点に強みがあり、客観的な情報として信頼されやすくなります。

発信者・費用・信頼性などの詳しい比較は、PRとは?広告との違いとAI時代の役割をご覧ください。

 

広報・PRの成果はどう測る?

広報・PRの成果は、メディア露出の量だけでなく、その先の態度や行動の変化まで含めて測ることが重要です。

かつては、掲載記事の面積を広告費に換算する「広告換算」が広く使われてきました。しかし広告換算は露出量を金額で表したものにすぎず、記事の論調や、読者の理解・信頼が深まったかどうかは測れません。国際的な効果測定の指針である「バルセロナ原則」でも、広告換算はPRの価値を示す指標ではないとされています。

測る段階指標の例
露出 掲載数、想定リーチ、論調(好意的・中立・否定的)
態度の変化 認知度、好意度、検索数の変化
行動・成果 問い合わせ数、サイト流入、採用応募数

ビルコムでは、報道データをもとにブランドの力を可視化する独自の指標「PRパワー」を用いて、広報効果測定ツール「PR Analyzer」で成果を測定しています。詳しくは広報効果測定ソリューションをご覧ください。

 

なぜ今、広報・PRが重要なのか?

情報があふれ、企業からの一方的な発信が届きにくくなった今、第三者を通じて信頼を積み重ねる広報・PRの役割が大きくなっています。

  • 信頼性が問われる時代:フェイクニュースや情報過多の中で、客観的な第三者が伝える情報へのニーズが高まっています。
  • 共感による情報の広がり:生活者は商品の背景にあるストーリーや企業の姿勢に共感し、自らSNSで情報を広げます。
  • AIが情報を整理する時代:生成AIが回答をつくる際も、報道や公式発表など信頼できる情報源が重視される傾向にあります。

AI時代にPRがどう変わるかはPRとは?広告との違いとAI時代の役割、AIに引用される情報発信についてはLLMO対策の基本とビルコムが自社実践で得た3つの知見で解説しています。

 

よくある質問

Q. 広報とPRは同じ意味ですか?

A. 日本ではほぼ同じ意味で使われます。ただし実務では、PRは関係づくり全体の考え方、広報はその中の情報発信の機能を指して使い分けられることが多くあります。

Q. 「広報PR」と並べて書くのはなぜですか?

A. 「広報」に広い意味と狭い意味が混在しているため、情報発信と関係構築の両方を含む言葉として「広報PR」という表記が定着しています。

Q. 広報部とPR部はどう違いますか?

A. 名称に厳密な決まりはなく、企業によって役割は異なります。大切なのは名称ではなく、目的と担当範囲を明確にすることです。

Q. SNSで見かける「PR」表記はパブリック・リレーションズのことですか?

A. いいえ。広告であることを示す表示で、パブリック・リレーションズとは別の意味です。

Q. 広報とIRの違いは何ですか?

A. IR(インベスター・リレーションズ)は、株主や投資家を対象にした広報活動です。PRという大きな枠組みの中の一つの活動にあたります。

 

まとめ

  • PRは、多様なステークホルダーと望ましい関係を築くための、包括的な考え方と活動です。
  • 広報は、学術的には双方向で関係を築く経営機能(広い意味)とされ、実務では情報発信を担う機能や部署(狭い意味)を指して使われます。
  • 実務では、言葉の違いより、目的と担当範囲をそろえることが成果への近道です。

広報・PR・広告の強みを生かして連携させる「統合型PR」の視点が、これからの企業経営には重要です。

 


 

ビルコムは「AIネイティブPRカンパニー」として、20年以上のPRノウハウと独自データを基盤に、企業の市場創造を支援しています。

  • 診断技術:独自の指標「PRパワー」の考え方にもとづき、広報効果測定ツール「PR Analyzer」の報道データでブランドの力を可視化し、課題を客観的に把握します。
  • 伝達技術:20年以上蓄積してきたPR戦略のノウハウと成功事例のパターンから、次に打つべき施策を導きます。

自社の広報・PRの課題を把握したい、ブランド力を高めたいけれど何から始めればよいかわからない、といった場合は、お気軽にご相談ください。

 

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書き手:コーポレートブランディング部 川島弓奈

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