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- 2025年11月06日
- PRトレンド
2026年夏の猛暑に備える!今から始める事業機会の創出とマーケティング戦略ガイド
2025年の夏は記録的な猛暑の年となりました。気象庁では今夏の猛暑を受け、最高気温が40度以上の日を「酷暑」とつけることを検討しています。今夏同様、来年の夏も猛暑となることが想定されます。
2025年11月5日、『現代用語の基礎知識』が発表した『現代用語の基礎知識 選「2025 T&D保険グループ新語・流行語大賞」』のノミネート語30には、「二季」が入っています。全国的に酷暑が続き、地球温暖化の影響で春夏秋冬という四季が、夏と冬の二季化している状況を示しています。
こうした夏の異常な暑さという社会課題を、大きな事業機会へと転換する企業が増えています。本記事では、企業の成功事例を基に、早期対策として今から仕込むべきマーケティング戦略と、新たなビジネスチャンスの見つけ方を紹介。消費者の潜在ニーズを先取りし、持続的な成長につなげるためのヒントを解説します。
はじめに:猛暑がもたらす新たな事業機会
気象庁が発表した8月から10月にかけての3か月予報では、8月から10月にかけての気温が全国的に平年より高く、暑さが続き、残暑が長引く見込みです。例年続く猛暑は、多くの人にとって厳しい環境ですが、ビジネスの視点では消費者の新たなニーズが生まれる機会とも考えられます。
猛暑が生み出す消費者ニーズ:「夏の7N」に潜むビジネスチャンス
猛暑によって顕在化するのは、消費者の「不快を解消したい」という強い欲求です。この消費者インサイトを理解することが、事業機会創出の第一歩となります。夏の代表的な7つの悩みとして、以下の「夏の7N」が挙げられます 。
- 熱中症
- 夏バテ
- ニオイ
- ぬめり
- 眠れない(不眠)
- のどの渇き
- 生乾き
これらの具体的な悩みに応える商品やサービスは、すでに市場で成功を収めています。
日本コカ・コーラ「アクエリアス」:「暑くなる前の対策」を訴求し、熱中症対策飲料のポジションを確立しています 。
AOKI「aircool」:風通しの良い素材でスーツの蒸れを解消し、ビジネスパーソンの汗・ニオイ対策に応えています 。
森永製菓「冷やし甘酒」:猛暑の夏バテ対策として、熱中症対策に適切な塩分量(ナトリウム)が含まれた季節限定商品をヒットさせています。
ニッセン:タオルケットなどを通じ、熱帯夜の睡眠対策という需要を捉えています 。
異業種に学ぶ!猛暑をマーケティングに活かす戦略
猛暑対策は、特定業界だけのテーマではありません。一見無関係に思える分野でも、視点を変えると大きなビジネスチャンスが広がっています。
戦略1:社会課題を捉える「世の中ごと化」アプローチ
日本気象協会が推進する「熱中症ゼロへ」プロジェクトは、多くの企業や自治体が参加する官民一体の啓発活動です。「くらこん塩こんぶ」を発売する株式会社くらこんや、「瀬戸のほんじお」を発売する味の素株式会社などの企業も参画し、熱中症対策における塩分補給の重要性を社会に広く伝えることで、自社製品の需要喚起と社会貢献を両立させています。これは、社会全体の課題解決という大きな文脈で市場を創造する「世の中ごと化」の事例です。
戦略2:新たなインサイトを発見するアプローチ
2025年6月にデリッシュキッチンが行ったユーザー調査によると、夏場の調理の悩みトップは「暑くて火を使うのがつらい」が62%と最も高くなっています。火を使わずに調理したいといったニーズが高まり、電子レンジ調理が増加することも明らかになっています。この「涼しく調理したい」というインサイトは、冷凍食品やカット野菜、調理家電メーカーにとって新たな商機となります。消費者の隠れた欲求を発見し、それに応える価値を提供することが重要です。
デリッシュキッチン 2025年7月3日 夏は「電子レンジ」検索が急上昇!夏の調理の悩みと「火を使わないレシピ特集」を公開!
戦略3:「巣ごもり消費」という追い風を捉える
猛暑による外出控えは、結果として「巣ごもり消費」を促進します。家庭用ゲーム、動画配信サービス、フードデリバリーなど、室内で快適に過ごすための商品・サービスの需要が拡大します。自社の商材が、このライフスタイルの変化にどう貢献できるかを考えることが、新たな事業機会の発見につながります。
猛暑を商機に変える3つのPR戦略
では、具体的にどのようにして事業機会を創出すれば良いのでしょうか。再現性の高い3つのPRアプローチをご紹介します。
世の中ごと化PR:社会の関心事を創り出す
社会的なテーマを設定し、ムーブメントを創出する戦略です 。日本気象協会のような権威ある機関と連携し、「アイス指数」や「ビール指数」のような独自の指標を開発したり 、関連する記念日を制定したりすることで、メディアの注目を集め、社会的な合意形成を図ります 。
仲間ごと化PR:コミュニティの共感を醸成する
特定のグループ内での共感を起点に、情報を波及させる戦略です 。例えば、飲食店とコラボして「夏バテ防止メニュー」を共同開発し 、試食イベントやSNSキャンペーンを通じて話題化させることで、仲間内での共感と拡散を狙います 。
自分ごと化PR:パーソナルな体験を提供する
消費者が「自分自身に関わることだ」と認識するような体験を提供する戦略です 。食事管理アプリや睡眠管理アプリと連携するなど、ユーザー個人の健康データを活用したキャンペーンを実施します 。データに基づいたパーソナルな提案は、消費者の納得感と行動変容につながりやすくなります 。
まとめ:2026年の「酷暑」に備え、社会課題の解決を事業機会に
記録的な猛暑であった2025年を経て、来たる2026年も同様の、またはそれ以上の「酷暑」が想定されます。この猛暑という社会現象は、単なる季節変動ではなく、社会全体で解決すべき課題であると考えられます。その課題解決の中に、企業の次なる成長機会が眠っています。
猛暑によって生まれる消費者の悩みや社会の歪みに向き合い、それを解決する施策を考えることは、事業の核となる新たな価値創造になり得ます。皆さんの企業の製品、技術、サービスは、2026年の夏、人々の暮らしをどのように守り、快適にできるでしょうか。社会課題を解決するという視点を持って、今から未来の戦略を考え始めることが、これからの時代を勝ち抜く鍵となるのかもしれません。
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書き手:コーポレート戦略局 川島弓奈



