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- 2025年08月07日
- PRトレンド
異常気象を事業機会へ!新たな市場を創造する企業戦略とPRの可能性
前回は「異常気象マーケティング」と題して、気候変動がビジネスに与える影響と、企業がどのように適応していくべきかについて解説しました。今年の夏も記録的な猛暑が予想される中、異常気象は「イレギュラー」ではなく、私たちの「日常」となりつつあります。
しかし、この厳しい環境変化は、同時に新たな事業機会でもあります。今回は、異常気象から革新的な事業を展開している企業の事例と、そこで求められるPR戦略について深掘りしていきます。
「ペルチェ」と「リチウムイオン電池」が示す新たなニーズ
今年の夏、特に注目されているのが「ペルチェ素子」を搭載した冷却グッズです。ハンディファンでは冷却プレート搭載のモデルが続々と登場し、肌に直接当てることで瞬時に冷感を得られる製品が人気を集めています。これは、従来の風を送る機能だけでなく、「冷やす」というより直接的な快適さを求める生活者のニーズに応えるものです。
サンワサプライ、熱を-20℃下げるペルチェ素子採用の冷却タブレット用クーラー「TK-CLN31U」を発売 - 2025年7月3日 日本経済新聞
猛暑の救世主なるか。ペルチェ素子で水を冷却・循環、上半身全体を冷やすウェア「ChillerX」が登場 - 2025年7月3日 東洋経済ONLINE
一方で、猛暑は既存の技術にも新たな課題を突きつけています。例えば、リチウムイオン電池は、暑さによる発火リスクが挙げられます。スマートフォンやモバイルバッテリーなど、私たちの生活に欠かせない多くのデバイスに搭載されていますが、高温環境下での安全性確保が課題となっています。これは単に製品の改良だけでなく、より安全なバッテリー技術の開発や、冷却・放熱技術の進化といった、新たな研究開発分野や市場を創出する可能性を秘めています。
【要注意】リチウムイオン電池の発火事故 暑さ・衝撃でリスク増…夏は特に危険!NG行動と処分方法「バーンと爆発した」(めざましmedia) - 2025年7月23日 Yahoo!ニュース
リチウムイオン電池製品の事故 夏場に増加傾向で注意を - 2025年7月24日 NHK 関西 NEWS WEB
異常気象から生まれる「新たな市場」の創造
これらのトレンドは、企業が異常気象を単なるリスクとして捉えるのではなく、社会課題と向き合い、それを解決する過程で新たな市場を創造していることを示しています。
このプロジェクトは、異常な暑さと向き合うために、企業・行政・地域団体が連携して立ち上げた共創プロジェクトです。7月17日から8月3日までの18日間、多彩な暑熱対策施策を展開して、原宿を3度涼しく感じさせようというものです。若年層が冷却シートや冷却ミストのような暑熱対策アイテムを日常的に取り入れることを目的とし、暑熱対策をするのが当たり前という新たな文化を根付かせるための施策です。
このプロジェクトは花王が主体となっていますが、東急不動産や東急バス、ゆあそび、WITH HARAJUKU、渋谷マークシティ、原宿竹下通り商店会、原宿表参道欅会などが協力し、渋谷区が後援しています。一社だけでは解決できない「異常な暑さ」といった社会課題を、様々な企業や自治体が連携して解決しようとする姿勢は、SNSでも共感を集めています。
参考:原宿を“避暑地化”できるか? 官民連携「原宿-3℃」プロジェクトの狙い - 2025年7月26日 ITmediaビジネスオンライン
夏場、上昇した体の温度を冷やす効果があるといわれる「アイススラリー」。シャープは、市販のペットボトル飲料を使用してアイススラリーが作れる冷蔵庫を「飲める氷」が作れる冷蔵庫として発売しました。
工事現場や建設現場、スポーツ施設など屋外で活動する企業に需要があることを踏まえ、法人向けにレンタルを実施しています。すでに大手ゼネコンやプロスポーツチームで試験導入が進んでおり、熱対策が難しい環境で活動する企業にとって、課題解決に向けた大きな一歩となりそうです。
参考:酷暑の救世主となるか?シャープの“飲める氷”を作る冷蔵庫の実力 - 2025年7月15日 ITmediaビジネスオンライン
新たな市場を切り拓く企業に求められるPR戦略
「異常気象から生まれた市場」で成功するためには、単に優れた製品やサービスを提供するだけでは不十分です。重要なのは、製品やサービスがなぜ今、社会に必要とされているのか、といった文脈を明確に伝え、共感を呼ぶPR戦略です。
異常気象は、私たちに多くの課題を突きつけています。しかし、その課題に向き合い解決策を提示する企業こそが、新たな時代をリードし、持続的な成長を遂げることができるのかもしれません。
ビルコムは、単なる情報発信に留まらず、データに基づいた戦略的なPR活動を通じて、企業の市場創造を支援しています。 その強みは、独自の診断技術と伝達技術にあります。
診断技術:これまで曖昧になりがちだったブランド力をデータによって可視化します。独自の指標である「PRパワー」の考え方に基づき、当社で開発・提供している広報効果測定ツール「PR Analyzer」の報道データを用いて測定。必要なPR戦略や現在の課題をデータで客観的に確認できます。感覚的だったブランドの概念を明確なデータで捉え、効果的な戦略立案に繋げています。
伝達技術:PRパワーの測定を通じて課題を明確にすることで、次に打つべき効果的なPR戦略のパターンを見出すことができます。ビルコムには20年以上蓄積されたPR戦略の豊富なノウハウがあります。広報業務に関わるデータ分析やメディア露出状況から企業のブランド課題を可視化し、数多くの成功事例に基づいた打ち手のパターンを蓄積しています。
自社の課題を把握したい、あるいはブランド力を高めたいけれど何から始めたらよいか分からない、といった場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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書き手:コーポレート戦略局 川島弓奈