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- 2026年02月24日
- PRトレンド
「あれ買おう!」をどう作る?PRで創出するカテゴリーエントリーポイント(CEP)の最大化
「自社製品の認知度は高いのに、売上が伸び悩んでいる」
「競合と比較される土俵にすら上がれていない気がする」
ブランド担当者の多くはこのような悩みをお持ちではないでしょうか。 現代のマーケティングにおいて認知以上に重要なのが、「特定の状況で、真っ先に思い出してもらえるか」です。
今回は、マーケティングにおける概念「CEP(Category Entry Points:カテゴリーエントリーポイント)」を、PRの力で創出した成功事例とともに解説します。
CEP(カテゴリーエントリーポイント)とは?
CEPとは、消費者が特定のカテゴリー(例:飲み物、お菓子、サービス)を購入しようとする際に、そのブランドを思い浮かべる「きっかけ」のことです。
「お腹が空いたから」ではなく、「会議が長引いて、次のアポまで15分しかないから」。 「お酒が飲みたいから」ではなく、「今日一日のタスクをすべて終えて、自分を労いたいから」。
このように、時間・場所・目的・感情といった具体的な生活シーンとブランドを紐づけることが、重要な鍵となります。
事例1:【森永ラムネ】「子どものおやつ」から「集中ツール」へ
CEPの創出によって、市場を拡大させた例が、森永製菓の「森永ラムネ」です。
長年「子ども向けのおやつ」として定着していましたが、SNS上で「二日酔いになりにくい」「集中力が高まる」といった大人による口コミが自然発生的に広まりました。森永製菓はこの生活者の発信を逃さず、戦略的なPRへと展開させました。
同社は、成分の90%が「ぶどう糖」であるという事実に基づき、ぶどう糖が脳のエネルギー源になることを専門家やメディアを通じて継続的に発信。さらに、大人でも買いやすい「大粒ラムネ」やパウチ形態の商品を投入することで、「仕事や勉強で集中力を高めたいとき」という新たなCEPを定義しています。
SNS上のUGCをきっかけに終わらせず、PRによって「科学的根拠」と「社会文脈」を加えた結果、ビジネスパーソンや受験生が日常的に常備するアイテムへと進化。それまで接点のなかった層に、特定のシーンで思い出してもらうことに成功しています。
事例2:【Yakult1000】「整腸」から「睡眠の質向上」へ
直近数年でCEPをアップデートしているのが、ヤクルト本社の「Yakult1000」です。
それまで乳酸菌飲料のCEPは「お腹の調子を整えたいとき」という健康習慣が一般的でした。しかし、Yakult1000は「ストレス緩和」と「睡眠の質向上」という、現代人が求めていたテーマをCEPとして設定しました。
「ヤクルトを飲むと眠くなる」といったインサイトを捉え、SNSでの口コミ拡散と専門家による実体験に基づいた発信が連動。「今日もヤクルトを飲んで寝よう」という新しい夜の習慣を創出し、社会現象を引き起こしました。
事例3:【chocozap】「ジム」から「スキマ時間活用」へ
ここ数年で急速に普及した「chocozap(チョコザップ)」は、フィットネス業界に新しいCEPを持ち込んでいます。
従来のジムのCEPは「運動時間を確保する」というものでしたが、chocozapは「次の予定までの10分」「買い物ついで」といった、日常の「スキマ時間」をCEPとして定義しました。
PR戦略では、「着替え不要」「靴の履き替え不要」「5分でOK」という利便性を訴求。メディアが「コンビニジム」という造語で紹介したことで、ハードな筋トレを求めていない未顧客層の頭の中に、「ちょっと時間が空いたから、あそこに行こう」という新しい思い出しの回路を作りました。
PRでCEPを創出するための「3つの視点」
では、自社のブランドでCEPを作るにはどうすればよいのでしょうか。ビルコムでは、以下の3つの視点から戦略PRを設計します。
顧客提供価値の再定義
森永ラムネのように、既存の成分や機能が、今の生活者のどんな「不(悩み・不満)」を解決するかを再定義します。
社会的な「文脈」への便乗
「タイパ重視」「ウェルビーイング」「脳疲労」など、社会が注目しているテーマとブランドを紐づけます。
「想起」を支える継続的な発信
CEPは一度の露出では定着しません。メディア露出やSNS、時には広告などと連動し、ターゲットがそのシーンに遭遇した際に、すぐに理解できる接触頻度と文脈の一貫性を設計します。
ブランドに、新しい「入り口」を
「認知はあるのに、選ばれない」 その原因は、生活者の記憶の中に、ブランドを連想するためのCEPが不足しているからかもしれません。
自社製品にはどんな新しいCEPの可能性があるか?競合がまだ手をつけていないシーンはどこか?
まずは、自社の製品が今どういった時に想起されているのか、顧客のリアルな声に耳を傾けることから始めてみましょう。
ビルコムは、単なる情報発信に留まらず、データに基づいた戦略的なPR活動を通じて企業の市場創造を支援しています。 その強みは、独自の診断技術と伝達技術にあります。
診断技術:これまで曖昧になりがちだったブランド力をデータによって可視化します。独自の指標である「PRパワー」の考え方に基づき、当社で開発・提供している広報効果測定ツール「PR Analyzer」の報道データを用いて測定。必要なPR戦略や現在の課題をデータで客観的に確認できます。感覚的だったブランドの概念を明確なデータで捉え、効果的な戦略立案に繋げています。
伝達技術:PRパワーの測定を通じて課題を明確にすることで、次に打つべき効果的なPR戦略のパターンを見出すことができます。ビルコムには20年以上蓄積されたPR戦略の豊富なノウハウがあります。広報業務に関わるデータ分析やメディア露出状況から企業のブランド課題を可視化し、数多くの成功事例に基づいた打ち手のパターンを蓄積しています。
自社の課題を把握したい、あるいはブランド力を高めたいけれど何から始めたらよいか分からない、といった場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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書き手:コーポレートブランディング部 川島弓奈



