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- 2026年05月26日
- PRトレンド
パーパスを「選ばれる理由」へ。データから導く、PRメッセージ策定の実践論
東証プライム上場企業でパーパスを公式に掲げる企業は、2022年の91社(4.9%)から2025年には337社(20.6%)へと急増しています。しかし「パーパスを策定した」だけで、それが採用・投資家・顧客への「選ばれる理由」になっているかどうかは別問題です。本記事では、ビルコムが提唱する「対話力」の観点から、パーパスブランディングを企業評判・企業価値向上に接続するための実践論をお伝えします。
ここで定義する「対話力」とは、企業が掲げるパーパスをステークホルダーの期待と同期させ、信頼へと変換する情報発信の質と量を指します。
※出典:エスエムオー株式会社 「PURPOSE STATEMENT LIST 2025」2025年6月
パーパス策定は急増。しかし「活用」は始まったばかり
ステークホルダー資本主義が主流となった現代、経営における「パーパス(存在意義)」の重要性は高まっています。下のグラフが示すように、東証プライム上場企業においてパーパスを公式に掲げる企業数は、わずか3年で4倍以上に拡大しました。

こうした背景の中、ビルコムには次のようなご相談が増えています。
・離職率の高止まり
・採用競争の激化
・投資家との対話不足
これらは一見バラバラな課題のように見えますが、根底には共通の問題が潜んでいます。それは、「パーパス経営を社会へ伝える対話力が十分か」という点です。
そもそも、パーパスとは何を指すのでしょうか。改めて整理します。
パーパス・パーパスブランディングとは何か
パーパス(Purpose)とは、企業が社会に存在する理由・意義を言語化したものです。「何を売るか」ではなく「なぜ存在するか」を問う概念であり、ミッション・ビジョン・バリューとも異なります。
パーパス:社会における存在意義(Why)
ミッション:果たすべき使命・役割(What)
中長期ビジョン目指す将来像(Where)
中長期バリュー行動規範・価値観(How)
パーパス経営とは、このパーパスを経営の意思決定・人材・事業の中心に据えるアプローチです。さらにパーパスブランディングとは、そのパーパスを顧客・投資家・従業員といったステークホルダーへ積極的に伝え、企業への信頼と選好を形成するコミュニケーション戦略を指します。
企業評判の方程式が変わった
かつて:遵法性×業績×製品力
現在:倫理性×社会価値×対話力
企業評判の構成要素の変化
特に注目すべきは「対話力」という概念です。どれほど優れたパーパスを掲げ、誠実な倫理観を持ち、社会的価値を提供していたとしても、それをステークホルダーに適切に伝えられなければ評判は形成されません。「良い企業」であることと「選ばれる企業」であることは、対話力によって初めて繋がるのです。
「評判形成」に必要な3つの軸
ビルコムでは、現代の企業評判形成に必要な構成要素を以下の3軸で整理しています。
倫理性:人権尊重・DEI・従業員ウェルビーイング・公正取引・サステナビリティなど、企業としての責任
社会価値:パーパス(存在意義)・事業としての独自価値・ステークホルダーとの関係性が生む価値
対話力:情報開示(網羅的発信)・主体性(積極的発信)・エンゲージメント構築(双方向コミュニケーション)
この3軸をふまえて、企業に求められる活動は「PRメッセージ策定」と「コーポレートブランディング」の2つに集約されます。その前提として不可欠なのが、対話力の測定とターゲット設定です。
対話力をデータで可視化
ビルコムでは、自社で開発提供するPR効果測定ツール「PR Analyzer®」を活用し、報道データから企業の対話力を定量的に測定しています。「対話力ファネル」は3層で構成され、競合との比較も可能です。

WHO・WHAT・HOW:PRメッセージ策定の3ステップ
対話力の測定と並行して重要なのが、PRメッセージの策定です。当社では「WHO(誰に)→WHAT(何を)→HOW(どう伝えるか)」の3ステップで体系的に設計します。

STEP 1:WHO 語りかけるべきステークホルダー
従業員・顧客(消費者)・投資家・サプライヤー・地域社会など、企業を取り巻くステークホルダーは多岐にわたります。インサイト分析から出発し、どのステークホルダーのパーセプション形成を最優先するかを決定することが、精度の高いPR戦略の第一歩です。
たとえば従業員向けには、「自身の成長実感」を強く求めるEX(従業員体験)のトレンドを踏まえたコミュニケーションが有効です。顧客向けには、節約志向の中でも「日常の中の小さな幸せ」への支出意欲は維持される傾向を踏まえた価値訴求が求められます。
STEP 2:WHAT 独自価値の設定とファクト開発
「競合との比較」と「ターゲットインサイト」を掛け合わせ、自社だけが提供できる独自価値を特定します。独自価値の設定には、信じるに足る根拠(RTB:Reason To Believe)が必要です。具体的なファクト(調査データ・実績・受賞歴・専門家コメントなど)が、メッセージに信頼性と説得力を与えます。
STEP 3:HOW Earnedを軸としたSOEP戦略
情報開示・主体性・エンゲージメント構築という対話力の3要素を高めるには、Earned(報道・第三者発信)を軸としつつ、Social・Owned・Paidを統合的に活用する「SOEP戦略」が有効です。
S(Social):生活者の声を活用したSNS PR
O(Owned):PR素材のオウンドメディア展開
E(Earned):第三者によるマスメディアPR
P(Paid):広告枠・オウンドを活用した体験型PR
マスメディアPRで重要なのは「ブランドイン(企業の一方的な情報)」ではなく「ファクトイン(読者の役に立つ情報)」です。「今報道する理由(時流)× ファクト × 読者実利」の三要素を揃えた編集企画書を作成することで、メディアへの掲載確度が高まります。
まとめ:パーパスを「飾る言葉」から「選ばれる理由」へ
東証プライム企業の5社に1社がパーパスを掲げる今、パーパスを持っていること自体はもはや差別化要因ではありません。
パーパスの形骸化:策定はしたが、採用や投資判断に響いていない
対話不足:「良いこと」をしているのに、ステークホルダーに正しく伝わっていない
戦略の欠如:どの媒体で、誰に、何を語るべきかのデータが不足している
こうした課題を解決し、パーパスを企業の競争優位性に変える鍵が、ビルコムの提唱する「対話力」です。
自社のパーパスブランディングが、市場やステークホルダーにどの程度届いているのか。競合他社と比較して、どのフェーズに課題があるのか。ビルコムでは、データ基盤と戦略立案ノウハウを活かし、「対話力スコア診断」を実施しています。
・パーパスを策定したが、社外への発信方法に悩んでいる
・採用広報やIRにおいて、他社との差別化ファクトを見つけたい
・データドリブンな広報体制を構築したい
このような企業様は、ぜひ一度当社までお気軽にご相談ください。
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書き手:コーポレートブランディング部 川島弓奈



