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- 2026年06月17日
- セミナーレポート
【PR×DATA Conference 2026開催レポート】いきなり“事業貢献”でなくていい。AI時代に進める「広報データ活用」3つのステップ
先日、当社の年次旗艦カンファレンス「PR×DATA Conference 2026 ~AI時代における、広報データ活用の視点~」が開催されました。
当日はパーソルホールディングス様、グローバル・リンク・マネジメント様、良品計画様という先進的な3社をお迎えし、データ活用やPR戦略についてお話しいただきました。 本レポートでは、最終セッションとして登壇した取締役の早川による総括を中心に、データとAIがもたらす広報・PRの未来についてお届けします。

カンファレンスを振り返る:ゲスト3社の重要ポイント
今回のカンファレンスでは、各社からデータとAIを活用したリアルな実践事例が共有されました。 各セッションから受け取るべき学びは、大きく3つあります。
1. パーソルホールディングス様から学ぶ「経営を動かす広報」
パーソル様は、「データを用いて経営陣に語りかける」という、広報・PRのあるべき理想の姿を高いレベルで体現されていました。広報がもたらす定性的な成果を定量的なデータへと変換し、中期経営計画や経営の意思決定にしっかりと接続させるプロセスは、私たちにとっても非常に大きな学びです。
2. グローバル・リンク・マネジメント様から学ぶ「説明可能な広報」
広報の勘や経験といった属人的になりがちな要素を、客観的なエビデンス(データ)として捉え、説明可能な状態にされている点が素晴らしかったです。他部署との連携や社内稟議を通す際、データが「組織の共通言語」として見事に機能している好例でした。
3. 良品計画様から学ぶ「文脈と思想を届ける広報」
マルチプロダクト・多事業を展開する中で、データの切り口(タグ機能など)を駆使し、世の中の「報道の文脈」を鋭く分析されていました。露出数や広告換算値といった数値そのものを追うだけでなく、その先にある「自社の思想や哲学」が正しく社会に届いているかを評価する姿勢が、大変印象的でした。
ロードマップ:PR Analyzerを活用する「3つのステップ」
データ活用を進めるにあたり、いきなり事業貢献を可視化しようとする必要はありません。大切なのは、自社の広報組織のフェーズに合わせたステップを踏むことです。当社では、「PR Analyzer活用の3ステップ」を定義しています。
【1stステップ】現状を知る
アプローチ:全指標のデータを網羅的に取得する
ゴール:自社広報の「良い点」と「悪い点」を客観的に認識・把握する(健康診断の初期段階)
【2ndステップ】戦略の進捗を把握する
アプローチ:設定した広報・PR戦略が計画通りに機能しているかを追跡する
ゴール: 施策の「進捗度合い」をデータで証明できるようにする
【3rdステップ】事業貢献度合いを可視化する
アプローチ:広報活動が事業や経営(売上や採用、ブランド価値など)にどう貢献したかを結びつける
ゴール: 経営陣に対する「投資対効果」の可視化を実現する
もし「今は上手く活用できていない」と感じる方がいれば、それはステップを飛び越えようとしているからかもしれません。まずは自社の現在地を知ることから始めていきましょう。

2026年の広報潮流:「AI」から「AIエージェント」のフェーズへ
2025年はChatGPTやCopilot、Gemini、Claudeといった生成AIの登場が大きな驚きをもたらしましたが、2026年現在、AIの活用は「AIエージェント」という次のフェーズへと進化しています。
AIエージェントとは、単に指示された文章を出力するだけのツールではありません。自律的にタスクを遂行する優秀なデジタル部下のような存在です。
- 各部門の数字の集計や、KPIの達成状況の進捗確認
- 収集した各種データの多角的な分析とレポート化
これら定型・分析業務をAIエージェントに自律的に実行させることで、「自分の配下に、優秀な部下が何十人も増えたかのような状態」を作り出しています。
AI時代に広報が変わる:「スマイルカーブ」による業務シフトの定義
AIエージェントの台頭により、広報の業務構造は大きく変化します。これを説明するのが、広報のバリューチェーンにおける付加価値を表した「広報業務のスマイルカーブ」です。
広報・PRの業務は大きく3つに分類されますが、AIのエージェント化によって各領域の付加価値(重要性)が再定義されます。

1. 作業・下準備(AIによる自動化領域 / 代替可能):クリッピング、競合・業界の記事分析、リリース配信、記者リスト作成、活動報告資料の作成といった定型業務は、AIエージェントによって完全に自動化できます。
2. プランニング(AIとの協働領域 / 意思決定):PR戦略の立案、効果指標の設計、クリエイティブのブレストにおいて、AIを高度な「壁打ち相手」として活用することで、これまでにないスピードと精度で意思決定が可能になります。
3. リレーション(人間にしかできない領域 / 独自価値):メディアの記者、インフルエンサー、業界関係者などのステークホルダーと対面で深い信頼関係を築き(リレーション管理)、アプローチを仕掛けていく泥臭い人間力は、AIには決して真似できない領域です。
カーブの底部にあたる「作業」をAIに任せて効率化することで、広報パーソンはリレーションの構築や戦略的なプランニングといった、より付加価値の高い業務にリソースを集中できるようになります。
これからの広報に求められる「5つの武器」
AIと協働するこれからの時代、広報が成果を最大化するために持っておくべき5つのコア要素(武器)は以下の通りです。
① オフラインコミュニケーションの強化
デスクワークや書類作成はAIに任せ、外に出て人と直接会う時間を圧倒的に増やすべきです。
② ステークホルダーとのリアルな「繋がり」
直接出会い、対話することで、Web上(デジタル空間)には存在しない「コラボレーションの機会」や「生のノウハウ」が生まれます。
③ 社内外における「定性情報」の収集力
数字やデータには表れない、社内の「ニュースの種」や社会の「微細な兆し」を、自らヒアリングして吸い上げる力が重要になります。
④ 圧倒的な「スピード」
AIによって競合他社の発信スピードも加速する中、1つの施策の検討に何ヶ月もかけていては、市場のトレンドを逃してしまいます。
⑤ 「自社独自の一次データ」の保有
AI自体は独自のデータを持っているわけではありません。当社のPR Analyzerなどを活用し、自社独自の広報・露出データを蓄積・分析していること自体が、他社との差別化を生む強力な資産になります。
まとめ
AIの進化を恐れる必要はまったくありません。AIは単なる時短ツールではなく、「広報・PRの成果を論理的に説明可能にし、チームの再現性を高めるための、経営の意思決定パートナー」です。
自社が今どのステップ(現状把握なのか、戦略推進なのか)にいるのかを見極め、適切にテクノロジーを組み込みながら、「経営を動かす広報機能」へと、共に進化させていきましょう。
ビルコムでは、データとAI、そして人間ならではの繋がりを武器に、皆様の広報活動をより多角的にサポートしてまいります。お困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。
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書き手:コーポレートブランディング部 川島弓奈



