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- 2026年07月23日
- PRトレンド 、PRノウハウ
PRとは?広告との違いとAI時代の役割【2026年版】
※本記事は2017年9月15日公開のブログを2026年6月時点の情報をもとに大幅加筆・更新したものです。
PRとは、組織とステークホルダーの間に信頼関係を築く活動です。AI検索が普及する今、その「第三者」の定義が広がり、PRの重要性は以前にも増して高まっています。
本記事では、PRの定義、広告との違い、そしてAI時代に起きているPRの変化について解説します。
そもそもPRとは何か?
PRとは 「Public Relations(パブリック・リレーションズ)」 の略で、組織とそのステークホルダーとの間に、望ましい信頼関係を築くことを指します。
日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)は、PRの機能を以下のように定義しています。
① 社会との共生を図る
② 企業の社会的認知(コーポレート・レピュテーション)を促進する
③ 社会からの企業への要望を聴く
④ 自社を取り巻く社会・経営環境を把握する
⑤ 企業文化の構築・改革を図る
⑥ 以上の活動によって業績の向上に寄与する
出典:日本パブリックリレーションズ協会「パブリックリレーションズとは」
一方、マーケティングの現場では、メディアなどの第三者を通じた情報発信によって、企業・ブランド価値や商品の売上向上に貢献する活動、という意味合いで使われています。
PRと広告はどう違うのか?
最大の違いは、情報の発信者が誰かです。
| 比較軸 | PR(Public Relations) | 広告(Advertising) |
|---|---|---|
| 発信者 | 第三者(メディア・消費者など) | 企業・ブランド |
| 費用 | 掲載自体は無償(取材・記事化) | 基本的に有償 |
| 信頼性 | 第三者による情報として信頼されやすい | 自社発信のため懐疑的に受け取られやすい |
| コントロール | 記事内容・掲載可否は媒体側が決定 | 内容・掲載タイミングを管理できる |
| 拡散性 | 価値あるネタであれば自然拡散 | 予算に比例 |
情報の内容が同じでも、誰が発信するかで受け取られ方が変わる—これがPRの本質です。
メディアのSOEPと広告・PRの位置づけ
PRと広告の領域を整理するフレームとして「PESOモデル」があります。PESOモデルとは、Paid Media(広告)、Earned Media(パブリシティ)、Shared Media(ソーシャルメディア)、Owned Media(オウンドメディア)4つのメディアの頭文字を取ったもので、これらを連携しながらコミュニケーション活動を最適化することです。
かつて“PESO”は、企業にとって重要なメディアの順番だといわれていましたが、ソーシャルメディアの台頭によって、“PESO”から“SOEP”へと優先順位が変化しています。情報収集の経路が複雑化する中では、すべてのメディアを網羅する統合型のコミュニケーション設計が求められています。

Shared Media:SNSでのシェア・口コミPR/マーケティング
Owned Media:自社サイト・ブログ・動画等PR/マーケティング
Earned Media:第三者メディアによる報道・記事PR
Paid Media:広告出稿(純広告・リスティング等)広告
AI時代にPRはどう変わるのか?
「第三者」の定義がAIに広がっている
これまでPRにおける「第三者」とは、新聞・テレビ・雑誌・Webメディアの記者や編集者を指していました。しかし今、その定義が大きく変わりつつあります。
Claude、ChatGPT、Geminiといった 生成AIが、新たな「第三者の情報整理者」として台頭 しています。ビジネスパーソンが「〇〇会社って信頼できる?」「広報効果測定ツールを探している」と問いかけるとき、その回答を生成するのは今やAIです。
検索行動の変化:ゼロクリック時代の到来
2025年以降、ユーザーの情報収集行動に構造的な変化が起きています。
ChatGPTを運営するOpenAIの発表によると、ChatGPTの週間アクティブユーザー数は2024年8月の2億人から2025年10月には8億人へと、約1年で4倍に拡大しています。株式会社ヴァリューズの調査では、Google検索のゼロクリック率が63.5%に到達。AI Overviewの普及により、ユーザーが検索結果ページからWebサイトへ遷移せずに情報を得るケースが過半数を超えています。AI検索においては、検索順位が1位であってもクリックされない、といったケースが増えていることがわかります。
これは、企業がどれだけSEO対策を行っても、AIがそのコンテンツを「引用する価値がある」と判断しなければ、情報が届かない時代になりつつあるということです。
出典:OpenAI「ChatGPT の利用実態」2025年9月15日
株式会社ヴァリューズ×note株式会社共同調査「ゼロクリック時代の新GEO・AI SEO」2025年10月30日
AIはどんな情報を優先するのか
AIが回答を生成する際、どのような情報を優先的に引用するかについて、Ahrefsが「AI が最も信頼しているドメイン TOP 10」を発表しています。
1.YouTube
2.Wikipedia(日本語版)
3.Google
4.Instagram
5.note.com
6.Amazon.co.jp
7.ameblo.jp
8.Yahoo!ニュース
9.PR TIMES
10.Wikipedia(英語版)
このランキングを見ると、Wikipedia、Yahoo!ニュース、PR TIMESといった「編集・審査を経た情報」や「報道・公式発表」を含むドメインが上位に入っています。プレスリリースがAIに「公式情報」として認識されていることを示しており、広報活動がAI引用に直結することを裏付けています。
出典:Ahrefs「AI が最も信頼するドメインTOP10【2026年4月最新版】2026年4月1日
PR業界自体もAI活用を重要課題と認識
日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)が2年ごとに実施している「PR業実態調査2025」では、PR会社が抱える今後の重点課題として「生成AIの活用」が初登場で第3位にランクインしています。かつて項目にも挙がっていなかったAIが、この1〜2年でPR業界の優先テーマに浮上したことを示しています。
出典:公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会「PR業実態調査2025年報告書」2026年4月
PRの現場は、実際にどう変わり始めているのか
理論だけでなく、実務の現場でもこの変化はすでに起きています。ビルコムは2026年7月、「PRノウハウ×独自データ」を基盤に、全社・全部門へ36体のAIエージェントを配属した「AIネイティブPRカンパニー」への転換を発表しました。広報戦略立案、メディアリレーション、PR分析、クリエイティブといった各専門領域にAIエージェントを配置し、実務の一部をAIが担う一方、人はメディアやパートナーとの信頼構築、そして「まだ世の中にない発想」を生み出すことに集中する、という役割分担を社内で実践しています。
代表取締役兼CEO 太田滋は、この転換について次のように述べています。
「AIネイティブPRカンパニーへの挑戦は、その原点を変えるものではありません。むしろ、その力をもっと大きく、もっと遠くまで届けるために、会社のあり方そのものを進化させる取り組みです」
これは、PRの本質(ファクトを第三者に届け、信頼を築くこと)を変えずに、担い手と手段をAI前提に再設計するという、本記事で解説してきた「AI時代のPR」の実例そのものと言えます。
詳細:ビルコム「AIネイティブPRカンパニー」特設サイト https://www.bil.jp/lp/ai-native/
AI時代のPR定義:何が変わり、何が変わらないのか
変わらないこと:PRの本質
「ファクトをベースにしたコンテンツを第三者に発信してもらうことで、情報を広く伝播させる」は、AI時代においても変わりません。むしろ、AIが「信頼できる第三者情報」を重視するアルゴリズムで動く以上、PRの基本原則はより強化されています。
変わったこと:「第三者」の多様化
従来の第三者はテレビ、新聞、雑誌記者、Webメディア編集者、インフルエンサー、KOLなどでしたが、AI時代の第三者はAI検索エンジンやユーザーの対話AIアシスタントなどが含まれます。つまり、企業がPR活動を通じてメディアや第三者に認知・評価される際、その「第三者」の中にAIが加わったと理解すべきです。
新たに必要な視点:LLMO(大規模言語モデル最適化)
AIに引用・推薦されるための情報発信戦略は LLMO(Large Language Model Optimization) と呼ばれ、2025年以降急速に注目されています。AI検索に引用されやすいコンテンツの特徴は以下の通りです。
- 一次情報・独自調査データを含む
- 定義や結論が冒頭に明示されている
- 疑問文形式のH2/H3見出し
- 出典・著者情報が明確
- メディア掲載実績がある
これはPRが長年実践してきた「ファクト起点のコンテンツ設計」「第三者への情報発信」と本質的に重なります。
PRはなぜ今、重要性を増しているのか
昨今、広告だけでは情報が「信頼できるもの」として生活者に届きにくくなっています。こうした変化は、デジタル化・情報過多・AI台頭が複合して起きています。
- 広告ブロッカーの普及・消費者の広告スキップ行動の定着
- ゼロクリックでのSEO流入減少
- AI検索における「信頼できる情報源への絞り込み」
このような環境において、「企業が直接発信しない情報」ーメディア掲載・第三者発信・独自調査データが、AIにも人にも信頼されるという構図は、以前にも増して明確になっています。
PRは「メディア露出を増やす手段」ではなく、企業の信頼資産をデジタル空間に積み上げる長期的な施策として再定義する必要があるのかもしれません。
まとめ
Q.PRとは何か?
A.組織とステークホルダーの信頼関係構築、第三者メディアを通じた情報発信。
Q.広告との違いは?
A.情報の発信者が企業本人か第三者か。PRと広告には信頼性・拡散性・コントロール性の違いがある。
Q.AI時代においてPRで何が変わったか?
A.「第三者」にAIが加わったこと。AIに引用される情報設計(LLMO)が新たに必要になった。
Q.AI時代においてPRで変わらないものは?
A.ファクト起点の情報×第三者への発信という基本原則は不変。むしろ強化されている。
ビルコムは「AIネイティブPRカンパニー」として、20年以上のPRノウハウと独自データを基盤に、AIエージェントと人が協業するPR支援を提供しています。PR戦略を一緒に考えたい企業やPRの効果測定・AI活用にお悩みの方はお気軽にご相談ください。
書き手:コーポレートブランディング部 川島弓奈



