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  • 2019年07月04日
  • PRトレンド

ファクトとビジュアルがキー!?2019年カンヌライオンズ受賞作から見る最新のPR潮流とは


世界の良質なコミュニケーション事例が集まり、毎年コミュニケーション業界の一大トピックとなる、世界最大級の広告賞(今は広告賞とは呼ばれていませんが)、カンヌライオンズことCannes Lions International Festival of Creativity。

ビルコム社内でも毎年、日々のプランニングに活かすべくPR部門を中心に受賞作品を分析しています。本記事では、社内ディスカッションから見えてきたPRの潮流についてお伝えできればと思います。



PR=クラフト=社会を動かす発明!?

今年のカンヌライオンズPR部門 ではjury presidentが「We belive PR is in fact a Craft, not a Channel」とコメントしていたそうですが(※)、受賞作品を分析していくと、このコメントの理由が見えてくるように思います。

グランプリを獲得したThe Female Company「The Tampon Book」(解説は後述)をはじめ、グランプリからシルバーまでの25作品(重複除く)のうち12作品が、①ファクトをベースに、②プロダクトや場など「リアルなもの」を作り出し、③世論を動かす、または実際に社会課題を解決するものだったのです。Juryのいう「Craft」とは、この3要素を兼ね備えているということなのではないでしょうか。

では、PRの潮流といえそうなこの3要素を詳しく見ていきます。

①PRの大前提「ファクトベース」
PR的なコミュニケーションと広告的なコミュニケーションを区別する要素の1つが、「フィクションではなく、ファクトベースであるかどうか」です。

今回Goldを受賞した、バドワイザーの「 Wind Never Felt Better」は、一見広告的と思われるスーパーボウルのCM作品でしたが、彼らの風力発電への取り組み(=ファクト)を伝えるとともに、他企業も巻き込んでいったPR的な発想のプロジェクトでした。

②SNSを意識し、プロダクトや場などの"モノ"を作り出す
今、生活者に情報が伝わりやすい優れたビジュアルは、情報拡散のための重要ポイントです。Instagramなどビジュアルで情報を伝えるSNSがメジャーになっている中、文章で長々と説明しても、情報洪水の中にある生活者には情報が浸透しにくいのが現状です。「情報拡散していくビジュアル」を考えて作り出す力も、これからのPRパーソンには必要な能力なのかもしれません。

③"提起"に留まらず、実際に社会問題を解決する
PR部門の受賞作品は毎年「Social Good」なものが多いですが、今年の受賞事例は、世の中に社会課題を訴えかけて世論を動かすだけでなく、実際に課題を解決に導いた事例が多くみられました。これからのPRの役割は課題提起から課題解決へと広がっていきそうです。

(※)出典:Forbs 「The Key Themes Of The Cannes Lions 2019 In 15 Quotes」(2019年7月4日最終アクセス)

PR部門 主要な受賞事例の紹介

前述した3つの要素を網羅した、主な受賞事例をご紹介します。

The Female Company「The Tampon Book」(Grand Prix)

ドイツではトリュフやキャビア、油絵などの税率は7%なのに、なぜか生活必需品であるはずのタンポンをはじめとした生理用品の税率は贅沢品扱いの19%。そんな性差別的ともいえる税率の見直しを訴えかけるためのプロジェクトです。税率をハックし、タンポンを書籍「The Tampon Book」の「付録」として売り出すことにより、書籍扱いの税率7%で販売しました。

Plaza Vea「Perussian Prices」(GOLD)

サッカーが国民的スポーツとなっているペルー。昨年のロシアW杯にてペルー代表が36年ぶりの出場を果たし、熱狂的なサッカーファンはロシアまで応援に駆けつけました。ただしロシアの物価はペルーの約3倍で旅費もとても高額のため、家を売ったりローンを組んだりと、なんとかお金を工面して渡航する人も。 このようなファクトに目をつけたのがペルーのスーパーです。渡航者を支援すべく、ロシアのスーパーと契約し、ペルーのIDを見せるとペルー並の価格でロシアの商品が買える、というリアルな売り場での取り組みを実施しました。

グランプリ・ゴールド受賞作だけでなくシルバー受賞作にも、ファクトに基づき、社会課題を実際に解決する「Craft」で社会や人々を動かした事例が多数ありました。

Aflac「My Special Aflac Duck」

「がんで闘病する子どもたちが自由に遊ぶことができない」というファクトを踏まえ、スタートアップ企業と共同で彼らの闘病生活をサポートするアヒル型ロボット「アフラックダック」を作ったプロジェクト。米国では今年末までに1万羽が提供される計画で、今後日本でも同様の活動が行われるそうです。

RMIT University「Sans Forgetica」

文字はタイピングするより手書きする方が記憶に残りやすいという研究結果がある一方、高校などの授業でもIT化が進み、文字を手書きする機会が減っています。そんな状況に着目し、タイピングでも記憶の定着がしやすくなる無料フォント「Sans Forgetica」を生み出した事例です。

IKEA ISRAEL「Thisables」

イスラエルでは10人に一人が障がいを持っているというファクトを踏まえ、通常のIKEAの家具では不便を感じる人に向けて、IKEAの家具にセットするだけでユニバーサルデザインになるパーツを当事者と共創。3Dプリンター用のデータをダウンロードできるようにした事例です。

KRAFT「KRAFT Now Pay Later」

Kraft Now Pay Later - Case Study from Daniel Jaramillo on Vimeo. アメリカの連邦政府機能停止により、政府機関職員の給与が未払いになってしまう、という出来事に対応すべく、政府の機能停止当日にKRAFTが"後払い"(後で購入分を寄附すればOK)の臨時店舗を構えた取り組みです。KRAFTは、プライベートブランドと高級な健康食品の間でブランドへの愛着が薄れているという課題を持っていたそうで、実際に国家の危機に国民のピンチを救う活動をしたことで「国民的ブランド」としてのブランディングにつなげたプロジェクトでした。

他部門にも数多く見られたPR視点の受賞事例

今年度も他部門の受賞事例の中に、ファクトをベースに世の中を動かす「PR視点」で取り組まれた事例が数多くみられました。

Creative Data部門グランプリ:Black&Abroad「Go Back To Africa」

3分間に1度「アフリカに帰れ」といった人種差別的な発言がSNSに書き込まれているというファクトを逆手にとったものでした。

Creative Strategy部門グランプリ:Volvo「The E.V.A. Initiative」

多くの自動車メーカーでは、男性の衝突実験用ダミーを使った実験に基づきクルマが設計されています。そのため、交通事故では男性よりも女性の方がむち打ち症になるリスクが高いというファクトに着目したプロジェクトです。

Industry Craft部門グランプリ:Nike「Just Do It HQ at the Church」

銃撃事件の頻発により若者たちが外でバスケットボールの練習ができないというファクトに着目し、閉鎖されていた協会を、地元のヤングアスリートが活用できるバスケットボールコート&トレーニングセンターとして生まれ変わらせたプロジェクトでした。

まとめ

今回のカンヌライオンズは、現代のコミュニケーションにはPR的発想が欠かせなくなっていることがうかがえる結果でした。「ファクトをベースにする」という大前提だけでなく、「社会が動くほどの影響を与えることができたのか?」「実際に社会課題を解決できたのか?」という一歩踏み込んだ"その先"が求められています。

(書き手:ビルコム株式会社 統合プランニング局 茅野祐子)




ビルコムでは長年の戦略PR支援から培ったデータをもとに、お客様の課題を解決する施策やクリエイティブを企画提案・実行しています。マーケティングやPRにおいてお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。ディスカッションを通し、プロダクトや商品をともに世の中に広めていきましょう。



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