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  • 2019年08月22日
  • PRノウハウ

BtoB広報が取り組むべき、事業を正しく伝えるためのPR戦略(後編)

 

BtoB企業の広報・PR担当者からは、「自社の商材や業態をターゲットに正しく理解してもらえていない」「モノが見えづらく、メディア掲載をなかなか獲得できない」というお悩みを伺います。では、BtoBのPRでは、どのような戦略でメディアと向き合えばいいのでしょうか。電子機器、クラウドシステム、教育、医療など、幅広い分野のアーンドメディアの記者・編集者と日々やり取りする、弊社メディア局・シニアメディアプランナーの星に話を聞きました。

後編では、BtoBの広報・PR担当者が持つべき心構えや、記者と情報交換をする際のポイントを中心にご紹介します。

 

(前編)BtoB広報が取り組むべき、事業を正しく伝えるためのPR戦略

 

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目次

 

部門横断の合言葉でターゲットの認知向上を加速

―前編では、PRメッセージの作り方や、準備すべき素材について聞いてきました。PR活動を進めるうえで、社内の協力体制も必要だと思います。どんな工夫が考えられますか?

 

営業部門、マーケ、広報、宣伝の中で、「会社のここを売りにしたい」という合言葉を一つ作っておくのがいいと思います。例えば、ビルコムでは新しい市場の開拓や、業態の理解を促進させる言葉として「市場創造記号」を作り、お客様のPR活動を支援しています。

他部署と共有するうえで大事なのは、「〇〇といえば▲▲を連想させる言葉を広めていきたい」と、目的と言葉の意図をしっかり伝えることです。何を達成するためのPR活動なのかを伝えることで、部署を横断した理解が得やすくなります。

そして、理解の一歩先に進むためには、広報・PR部門で事例をつくることが必要です。メディアを通じてキーワードが一般化してくれば、営業や広告でもその言葉を使うなどの動きが起きてきます。広報が単独で行うのではなく、複数の部署で市場を創っていく体制をつくっていくことが大切だと思います。

 

― 確かに、部署横断でキーワードを使用すると、ターゲットが会社のイメージと接する機会が増えますもんね。 

 

はい。社名を連呼されるだけだと事業への理解が進まないし、そもそも関心を持ってもらいにくい。言葉をつくるポイントとしては、自社起点ではなく社会起点でのキーワードを持つと、メディアや生活者に受け入れてもらいやすくなると思います。

あともう一つ、正攻法ではありますが、社会に対して積極的に情報開示をしていくことに、社内の協力を仰ぐことも重要です。

最近ではふとしたSNSの投稿やWebの記事が火種となり、炎上が起こってしまうことも少なくありません。これ自体は、なかなか予測して止めることが難しい面もあります。ただ、普段のコミュニケーションで「うちはこんな安心安全の体制を取っている」「こんな社長がこんな思いでやっている企業なんだ」ということを外部に発信していれば、いざ炎上しても、記者や生活者から共感や理解を得やすく、炎上が広がりづらくなります。

情報開示が企業の長期的なブランディングにつながることや、上記のようにブランドイメージが確立されるとどんなポジティブな影響が他部署に起こるのかをしっかり伝えると、協力体制が築きやすくなります。

 

 

人物プロフィールは、BtoB企業こそ取り組みたいPR素材

― そういう意味では、人がメディアに掲載されるというのも重要なんですね。

 

はい。特にビジネス系の媒体掲載を狙う場合は、社会起点でのキーワードやメッセ―ジだけでなく、人で攻めるのもいいと思います。ビジネス系の媒体って、ヒット商品の裏側や経営・現場の方々にとっての学びを提供するというミッションもありますけど、私は、働くモチベーションの源泉を提供するというミッションもあると思うんです。

なので、ロールモデルになるような方や、業界に革新をもたらした方の紆余曲折あるストーリーも、PR素材としては有効です。

 

―それは、事前にアプローチする枠を定めてから、対象となる人物を社内から探すんでしょうか?

 

人物に関してはかなり横展開がきくので、まずはPRしたい事業に深くコミットしている方に、色々と話を聞いてしまうのが良いと思います。

経営者だったら経営論や人材論、組織論。開発担当だったら開発フィロソフィーや、その方がチームを率いていたら組織論でもいいですし。一人の人物が話せるストーリーの幅は結構広いので、まずはお話しを聞いてみて、そこからどのような「推しポイント」を設定するかを考えます。

もしくはその逆で、逆境を乗り越えてきたような、ロールモデルになる方を社内から探すのもありです。その方のパーソナルストーリーを木の幹として、枝葉の部分でクライアントの商材やサービスの開発秘話を盛り込んで、メディアの方に提案するための企画書にすることもあります。

 

―テーマに合わせて何人かの詳しいプロフィールを作っておいて、媒体によって出し分けするということですね。

 

はい。あと、もう一つの人物PRの手法は、業界の有識者になってもらう、というものがあります。

例えば、「社内研究所」を立ち上げて、その方にリーダーを務めてもらうんです。そして、肩書きとともに、有識者として話せる社会問題を箇条書きでプロフィールに書いておきます。そうすると、例えば大きな法案が提出されて、それに関して専門家のコメントが欲しい、というメディアに取材してもらうことができます。

 

 

―なるほど。ただ、そういう依頼っていつ来るかわからないですよね。プロフィールを作成したら、メディアにはどのようにお知らせするんでしょうか?

 

ベストなのは、先々の時流を汲んだトピックスをプロフィール資料に入れておくことです。時流に関するトレンドを、事前に記者さんにヒアリングさせていただくとズレがないかと思います。

ライフスタイル系も同じですが、毎年やってくるお決まりの時流ってありますよね。クリスマスとかお正月、バレンタインとか。ビジネス系も、GW商戦やテレワーク・デイズ、ブラックフライデーなど、お決まりの時流は結構あるので、そこはおさえておきたいですね。このような時流を解説するニュースレターに、識者としてプロフィールを記載して配信する手法もあります。

ただ、気をつけなきゃいけないのは、「今年ならではの要素」を記載することです。古いプロフィールだと取材依頼はいただけなくなってしまうので、そこはクライアントとディスカッションして更新をしています。

 

最初のゴールは「記者にファンになってもらう」でも良い

―ビジネス系メディアの記者さんって、とにかく業界に詳しいですよね。まだ自社や業界にあまり詳しくない新人広報さんは、なかなかやりづらいこともあると思います。星さんは最初の頃、どうやってその状況を乗り越えていましたか?

 

とにかく記者へ編集者に会って、媒体の方から勉強させていただいていました。私も最初は「SaaSとは」みたいな、基本的な用語がわからないところから始まりました。そんな中でも記者にいっぱい会うと、どの方もおっしゃる頻出ワードがわかってくるんです。それをメモって、調べて、っていうのを繰り返していました。今は医療系のお客様を担当しているんですが、医療系の単語は今までの引き出しには全然なくて。なので、メディアプロモーターを始めた頃のように、記者や編集者にお会いして、地道にキーワードを調べてはインプットしています。

 

― 記者から学ぶ以外には、どんな方法でインプットされていますか?

 

一番いい教材は、過去記事ですね。私個人のスタンスとしては、メディアごとの好み―つまり、編集傾向を知ることはもちろんなんですけど、できれば個々の記者の担当分野や記事の論調も意識するようにしています。同じテーマでも、現場の声を重視されているなとか、専門家をたてる必要があるなとか、タイトルには驚きのある数字を用意しないといけないなとか、過去の署名記事などからそのポイントを学んでいます。

 

 

― 一人ひとりに向き合うことがとにかく大事なんですね。

 

そうですね。

記者と向き合う上では、「自社のファン記者をつくる」という気持ちで接することがすごく大事だと思います。「〇〇業界でイケてる企業を5つあげてください」って記者の方々が聞かれたときに、5本指に入るようにするとか。掲載されるのと同じくらい、もしかしたらそれ以上に信頼関係を築くことが大事です。

例えば、イベントや記者発表会を実施する際に、一声かけたら足を運んでくれるような関係値をまずは少しでも多くつくる、というのも立派な目標です。そんな記者が新聞の五大紙やビジネス誌に一人ずついたら、こんなに心強いことはないですよね。そのためには、記者と定期的なコンタクト機会を持つことが必要です。

私たちは日々、幅広いメディアの方々とコンタクトを取り、記者一人ひとりのニーズに応じて情報提供をさせていただいています。業界を横断した動きを見ているので、取材機会を逃さずにアプローチできるのは、私たちPR会社の強みだと思っています。

ビルコムでは、アーンドメディアだけでなく、広告やオウンド・ソーシャルメディアを組み合わせたPR戦略を描き実践していますが、アーンドメディアがもたらす影響は未だに強いと感じています。生活者を第一に考えている記者からのフィードバックが、PRにおけるメッセージ見直しのキッカケとなることもありますし、“掲載”だけに囚われず、記者一人ひとりと関わっていきたいなと思いますね。

 

まとめ

「掲載をゴールにしない」「人物PRに積極的に取り組む」など、多くのビジネス系メディアとお付き合いしてきた、星ならではの言葉が聞けた今回のコンテンツ。ぜひ、コミュニケーション戦略をたてる際の参考にしてみてください。

ビルコムでは、経営課題や事業課題から導いた戦略をもとに、コミュニケーション・プランニングを行っています。蓄積された報道データや掲載データをもとにコミュニケーションをプランニングしているので、広告やオウンドメディア、ソーシャルメディアと連動したメディアプロモートができる点も特徴です。「自社の業態に対する正しい理解を広めたい」「市場で新しいカテゴリを創造していきたい」など、PRに関するお悩みをお持ちの方は、お気軽にご連絡ください。

 

▼前編では、メディアに向けたPRメッセージの作り方や、準備すべき素材の考え方についてご紹介しています

BtoB広報が取り組むべき、事業を正しく伝えるためのPR戦略(前編)

 

 

(書き手・ビルコム株式会社 高橋)

 

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