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  • 2019年05月22日
  • セミナーレポート

BtoBのPRで話題を創るには?SaaSサービスの事例をもとに、戦略のポイントを考える

「BtoB企業のPRは難しい」。当社に相談にいらっしゃるお客様から、よくこんなことをうかがいます。確かに無形の商材が多く「画」が示しづらかったり、新製品やトピックスのお知らせ頻度が少なかったりと、BtoBの企業のPRは、メディアの欲しがる情報を伝えづらい難しさを抱えることが少なくありません。近年はSaaSサービスを提供するスタートアップも増加し、BtoBならではの悩みを抱えてお問合せをいただくことがさらに増えてきました。

しかし、このような逆風がありながらも事業認知向上やメディア露出獲得に成功している企業があることも事実です。

今回はそんなBtoBのPR戦略のポイントについて、「2018年~2019年に注目されたBtoB企業から学ぶ、話題を創るBtoBのPR戦略セミナー」より、一部をお届けいたします。

■登壇者
ビルコム株式会社 シニアコンサルタント 阿部珠恵

人材や医療ヘルスケアなど、BtoB企業のPRに長年携わってきた阿部。ビルコムではお客様のPR戦略のご支援をしながらも、コーポレートコミュニケーション局の局長としてビルコムのPR・ブランディングの指揮もとっています。



PR戦略のスタートは、自社の課題整理から

セミナーの冒頭では、PR戦略をたてるうえで最も重要な「課題整理」についてお話ししました。特にPRの立ち上げフェーズにおいては、つい「どんなメディアと繋がるべきか」「どんなプレスリリースを打とう」など、具体的なPR施策に目がいきがちです。しかしまずは、自社が抱えている課題を認識し、PR活動を行う目的を整理しておく必要があります。

BtoB企業の場合は、課題の多くは以下の2軸で考えることができます。

①企業自体のファンを作り、採用活動にも貢献するコーポレートPR
②事業認知や理解を向上させるための事業・プロダクトPR



この方向性をどう定めるかによって、ターゲットや伝えるべきメッセージ、情報発信のために準備する要素などが大きく変わります。後々のPR活動にブレを生じさせないためにも、課題と目的の整理を行うことはとても大事なステップです。

企業における広報機能が発展するにつれ、それぞれの機能ごとに広報・PR部門が細分化されていることもあります。その場合でも、中長期的、短期的に、経営者が自部門に何を求めているのかをクリアにした状態で戦略・戦術のディスカッションを始めることが大切です。そうしないと、結果を出しても「本当にこの施策や露出は自社に必要だったのか?」という話に戻ってしまうこともあります。チームメンバーや経営陣と課題・目的の認識をすり合わせることは、どのフェーズでも必要でしょう。



"立ち上げ期でもメディアに取り上げられる"BtoBにおけるPRのポイント

課題・目的を整理したら、いよいよ具体的な戦略・施策づくりに入ります。今回はSaaSサービスの立ち上げ期の事例を取り上げ、施策検討のヒントとしていただきました。

今回セミナーでご紹介した事例は、2018年3月にスタートアップのピッチコンテスト「B Dash Camp Pitch Arena」で優勝した「KAKEHASHI」さん。調剤薬局向けのクラウド業務システム「Musubi」を提供しています。服薬指導時にその内容をシステム上で選択することで、業務後1日2〜3時間かかっていた入力業務を15分ほどに短縮できるそうです。

ポイント①コンテストやアワードをPRの場に活用する
一見、薬剤師向けのSaaSサービスということでメディアアプローチが難しそうなビジネスですが、ピッチコンテストの優勝に関する露出でメディアや生活者の優勝を集めたほか、同年5月に9億円を資金調達したというプレスリリースを配信し掲載を獲得、その後CEOのインタビューも連続して掲載されています。

事例や実績がこれからというスタートアップのPRの場合、こうしたコンテストやアワードを活用して世の中の注目を集めたり、新しいビジネスに興味の高い記者と繋がるキッカケにするのは1つの手法です。KAKEHASHIさんは、2019年1月に開催された経済産業省主催のビジネスコンテストにも参加し、グランプリを獲得しています。

ポイント②ソーシャル・イシューを意識する
近年では「社会課題をどう解決していくサービスなのか?」という大成要素に対するメディアの関心も高まっていると感じますので、こうしたアピールの場では、ソーシャル・イシューと自社サービスの結びつけをしっかり伝えることも重要です。

例えば資金調達のプレスリリースにも、KAKEHASHIさんが事業を通じて解決したい社会課題がしっかりと記載されていて、記者がリリースを掲載する際に重視する「なぜ今掲載するべきなのか?」という問いに対する答えが用意されています。

ポイント③代表自らが広告塔になる
メディアに提供できる画素材がない中でのPR活動では、CEO自らが広告塔となり積極的にインタビューなどを受けることも一つの手法です。社会課題へのアプローチが明確なサービスの場合はストレートに事業のビジョンを語るものも良いですし、メディアに合わせて「急成長する事業の作り方」など、違う視点の企画を持ち込むことも良いでしょう。

画が作りづらかったり、新たな発表が少ないBtoB企業においては、マスメディアに向けてその魅力を伝えるための「ヒト」「モノ」「組織」の資源を整理し、社会の興味と結びつけたストーリーにしていくことが大切です。例えば上記の事例だとヒトはCEO。モノはまだ事例が少なく資源が少ない状態ですが、その分「ソーシャルイシュー」を捉えた製品の特徴や戦略を語ることで、生活者にとって期待できるサービスとして魅せています。また、これまでもよく言われていた「組織資源」、例えば人事・育成施策なども、働き方改革が本格化する中で、引き続きニーズが高い話題です。



クラウド型PR効果測定ツール「PR Analyzer」のPR事例

ここまでは、いわゆるアーンドメディアへのアプローチ手法について紹介しましたが、近年、特にBtoB企業の中ではコンテンツマーケティングの重要性が増していて、オウンドメディアを構築したり、SNSを活用したりと自社情報の発信に注力する企業も増えています。更に最近では、こうしたオウンドメディアのコンテンツを活用し、アーンドメディアに露出を広げていく手法も出てきています。

ビルコムも事業形態はBtoBということで、ここでは当社のPR事例をご紹介しました。

ビルコムでは、クラウド型PR効果測定ツール「PR Analyzer」を提供しています。4マスメディアのクリッピングデータとweb記事のソーシャルメディア波及(Facebookに限る)を一元管理し、効率的な効果測定を可能にするというツールです。

★PR Analyzerについて詳しく知りたい方はコチラ

PR AnalyzerのPR戦略のポイントはオウンドコンテンツ
PR AnalyzerにおけるPRの目的は、新規のお客様の獲得。ターゲットは「マーケティング・PR担当者」です。そのために、サービス機能を知ってもらうことはもちろんですが、そもそも「効果測定をツール化することが、どのように広報部門の役に立つのか」を知ってもらうことが必要なため、打ち出すメッセージは「件数や換算値だけに囚われず戦略に効く効果測定を」「人力広報からの脱却」としています。

とはいえ、こうしたメッセージが響くターゲットは絞られており、定期的なアーンドメディア露出が難しい状況でした。そこで、ツールをつかって効果測定をすることでどんなことが分かるのか等を発信する、オウンドコンテンツの発信を始めました。発信ツールはコーポレートサイトのブログとWantedlyを活用しています。

記事はPR Analyzerのマーケティング担当者が執筆し、主に旬の話題のPR効果やメディア露出の振り返りなど、PR Analyzerを使用した検証・分析の記事を掲載しています。



"時流"を捉えて自社のサービス機能に落とすメッセージを出すことで記事が波及し、実際のお問い合わせにもつながりました。更に、これらの記事はWebメディアの記者の目にとまり、寄稿記事として転載され更なる拡散を生みました。



特にWebでは編集部の体制も限られていることから、有用な情報を寄稿してくれる人を探しているメディアも少なくありません。オウンドメディアを単なる顧客獲得のマーケティングツールとするだけでなく、PR素材としても活用し、寄稿記事として転載するという流れも生まれつつあります。広報部門の仕事は、プレスリリースや取材獲得にとどまらず、リアルイベントを起点としたソーシャルへの波及、寄稿記事の創出など、施策の幅は日々広がりつつあるといえるでしょう。



まとめ

BtoB企業のPRにおけるポイントは以下の4つです。

・時流や社会課題に合わせたメッセージ作りを実施する ・上記テーマを体現するコンテンツを実施  → プレスリリース、オウンドコンテンツ、イベント・・・   メディアを横断した情報波及も当たり前な世の中の今、BtoB企業も積極的に情報発信を! ・実績や事例がない場合も「場づくり」手法は多様。  事例分析、アワード、同業とのイベント等で"企業や事業の見える化"をする ・メッセージは繰り返し、様々な場で話すことが大切。  スタートアップを好んで掲載するメディアを重点的に狙うのも一手。

一般的に「PRが難しい」という印象を持たれるBtoBのPRですが、工夫次第ではメディア露出を獲得、企業やサービスの認知向上をはかることもできます。ビルコムでは、BtoB企業のコーポレートPR、採用PR、事業PRを包括的にご支援しています。まずは詳しい事例を知りたい方、お悩みを相談したい方などお気軽に問い合わせください。


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(書き手:ビルコム株式会社・高橋)

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