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PR視点で見るカンヌライオンズ2018とインフルエンサーマーケの今後

公開日:2018年7月10日   カテゴリ:


今年も広告・マーケティング業界の大きなイベント、カンヌライオンズことCannes Lions International Festival of Creativityが終わりました。 本記事では、PR部門と今年新設されたSocial and Influencer部門の主な受賞作を、その傾向とともにお伝えします。


timon-studler-63413-unsplash.jpg Photo by Timon Studler on Unsplash
昨年の記事: 今年も終わったカンヌライオンズ!PR視点から見た、明日から生かせる受賞事例

PR部門の傾向①真正性あるファクトづくり


PR部門のグランプリを獲得したのは"Trash Isles"というプロジェクトでした。海に投棄され続けているプラスチックゴミの問題を世に投げかけるため、6月8日の世界海洋デーに合わせて、実際に太平洋上に存在する、ゴミが集まった地帯を「ゴミの島=Trash Isles」として実際に国連に国家登録申請。有名人も多数巻き込んでの大きなプロジェクトとなりました。

Trash Isles


また、PR部門Gold受賞作の「NATURE REPRESENTED」および「TURNING BEER TO THE WATER」も「ファクトを作る」ことで成功した事例といえます。

NATURE REPRESENTED


様々な環境問題に対してそれぞれ弁護士を募集・任命するというファクトを作ったことで世の中に問題提起をし、話題を巻き起こしました。

TURNING BEER TO THE WATER


米国各所で自然災害が起こった2017年。ビール「バドワイザー」を製造するANHEUSER-BUSCH(アンハイザー・ブッシュ)はビールの製造ラインをストップし、緊急時用の飲料水製造ラインに切り替え、被災地に配布。 この思い切った行動は多くの報道・称賛のクチコミを巻き起こし、ブランディングの強化につながりました。

単に情報を伝えるだけでなく「世の中ごと化」するファクトを作ることは、PRの代表的な手法ですが、情報の真偽が生活者によりすぐに判断されるソーシャルメディア時代だからこそ、情報の「真正性」を担保するためにも、企業が行動を起こしてファクトを作り出すことがより重要になってきていると考えられます。 紹介した受賞事例は、「国連に国家として申請する」「商品の製造を一時ストップして救援物資を作る」というかなり大胆な手法をとっています。

ファクトが大きければ大きいほど話題につながりやすいのは事実ではありますが、そこまで大きなものでなくてもファクトを作ってPRにつなげることは可能です。

例えば、自社の商品が解決したいと考えている社会問題に対し、専門家や生活者と連携して問題提起する、データや意見をまとめて調査リリース等で発信していくなど、ケースに応じてさまざまな手法が考えられます。

参考事例:ボンカレー「Smile Table Day」



PR部門の傾向②生活者文脈の活用


もうひとつ受賞作の傾向として目立っていたのは、「生活者文脈の活用」です。 すでにソーシャルメディア上などで生活者に定着している自社文脈をうまく活用することで、生活者を味方につけたり、話題につなげる手法です。



This Coke is a Fanta

This Coke is a Fanta from jean zamprogno on Vimeo.



"This Coke is a Fanta"は生活者の中でLGBTに対するネガティブなスラングとして使われていましたが、コカ・コーラ社はそれを逆手にとって利用し、プライドパレードの日に「中身がファンタのコーラ」を、"This Coke is a Fanta. So What?"(このコーラの中身はファンタだけど、それが何?)というメッセージとともに発売。 プライドパレードに参加した人々がこぞってのっかり、ムーブメントとなった事例です。

生活者文脈を活用し、生活者を味方につけることでブランドの危機を乗り切った、ケンタッキーフライドチキンの事例も注目を浴びたものの一つです。



KFC - FCK


イギリスのケンタッキーフライドチキン(KFC)は、配送業者の変更によってチキンが不足し、一時閉鎖に追い込まれる店舗が出るといった危機に陥りました。 その謝罪広告として新聞に出したのが、チキンを入れるバーレルのロゴ部分を"KFC"から、罵り言葉である"FCK"に変えたクリエイティブでした。 批判を真摯に受け止め、責任を認めて謝罪するだけでなく、生活者の文脈に共感を示すことで、多くの生活者を味方につけました。PRの力で、ピンチをチャンスに変えた事例といえます。



Social and Influencer部門 インフルエンサーマーケティングはまだまだ模索中?



今年から新設されたSocial and Influencer部門でグランプリに輝いたのは、NIKEのムービー「NOTHING BEATS A LONDONER」。 インスタグラム的な表現手法と、インフルエンサーを自然に起用している演出手法が評価されたようです。



NOTHING BEATS A LONDONER

一方、カンヌライオンズの会期中には、フォロワーの購入といった不正行為を行うインフルエンサーを起用することや、インフルエンサーを単なる情報拡散の媒体として活用することに対する問題提起があちこちであったとの報道もありました。



参考:DIGIDAY「インフルエンサーの偽証、カンヌでも厳しい意見」
インフルエンサーは影響力を増し続け、それに比例するようにインフルエンサーマーケティングの市場も拡大していますが、インフルエンサーとWin-Winになる効果的なパートナーシップの組み方は、まだまだ模索していく必要があるようです。



書き手:茅野祐子/監修:小久保英史



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