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  • 2019年11月14日
  • セミナーレポート

メルカリ/LIFULL/ユーグレナ 三者三様の広報哲学【転換期企業の広報・PR戦略vol.3】


2019年10月15日に、メルカリ、LIFULL、ユーグレナの広報担当者をお招きした特別セミナー「スタートアップから大企業へ、10⇒100フェーズで取り組むべきPRとは?」を開催しました。定員50名を上回る参加申し込みがあり、3社への注目度の高さを改めて実感した本セミナー。PRブログでは、セミナーの模様を3回に分けてお届けします。最終回の本記事では、来場者からいただいた質問や、当社・早川とのやり取りより、3社が取り組んできた施策をさらに詳しく紹介していきます。

 

★このセミナーに関連する記事はこちら

【vol.1】メルカリの広報ヒストリーを紐解いたら、緻密で地道な活動が見えてきた。

【vol.2】社名変更に上場。LIFULLとユーグレナの広報は、その時どう動いた?

 

    

 

ゲストスピーカー(社名50音順)

矢嶋 聡 氏
株式会社メルカリ Public Relationsチーム マネージャー

1978年生まれ、東京都出身。2000年に早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、ネットベンチャーの立ち上げ、留学、PR会社勤務を経て、2008年にネイバージャパン入社。2013年4月、LINE株式会社に商号変更を経て、2014年1月にLINE株式会社マーケティングコミュニケーション室室長を務める。2017年8月にLINEを退社し、2017年10月メルカリ入社。

 

安間 美央 氏
株式会社ユーグレナ 経営戦略部 コーポレートコミュニケーション課長

大手私鉄会社での広報や不動産関連新規事業担当などを経て、2011年にユーグレナに入社。広報としての立ち上げ期から、事業の拡大までのフェーズを担う。また、2012年のマザーズ上場、2014年の東証一部鞍替え時のIRも経験。現在は経営戦略部コーポレートコミュニケーション課長として会社の幅広い案件の情報管理・運用を実施している。

 

野尻 翔子 氏
株式会社LIFULL クリエイティブ本部 コミュニケーションG 広報担当

アパレルメーカーのSE勤務後、PR会社にてメーカー、官庁のプロジェクトPRを担当。2018年にLIFULLに入社。現在は、ブランドのコミュニケーション戦略や中核サービスであるLIFULL HOME'S、地方創生事業の広報活動、社内広報の運用を担当。

 

早川 くらら(モデレーター)
ビルコム株式会社 取締役

新規事業担当、採用担当、アライアンス担当、営業担当を経て、取締役に就任。コニカミノルタ、クラシエフーズなど国内外大手クライアントを持つ部署全体を統括し、戦略的PRプランニングなどに携わる。

 

(※スピーカーのプロフィールは2019年10月時点のものです)

 

最後発の『メルペイ』だからこそ、カンファレンス開催が必要だった

来場者「矢嶋さんに質問です。メルペイのカンファレンスは結構予算がかかったと思うんですが、経営陣をどのように説得されましたか?また、管轄は広報ですか?」

 

矢嶋「カンファレンスは広報主導でした。競争が激化するスマホ決済市場に最後発で参入するという状況下で、「本命」としての立ち位置を確立していくためには、単純なサービス・機能の訴求だけでは不十分だと考えました。カンファレンスという大きな舞台装置を用意し、役員によるサービス概要・戦略に関するプレゼンテーションはもちろん、パートナーの方に登壇してもらったり、私たちが“決済の先”に目指しているビジョン・世界観を表現したムービーを放映したりすることで、決済サービスの中での本命感を醸成できるのではないかと考え、企画しました。“経営陣のPRに対する理解が深いこともあり、特に説得に苦労するということはありませんでしたね。」

 

 

矢嶋「一方で、社内を巻き込んでいくのはなかなか難しい部分もあったので、経営陣とは毎週のようにミーティングを行いました。全体の戦略、メッセージ、伝えるべきコンテンツのアウトラインなど大枠を握りつつ、実現するのに必要な情報・素材を用意するために、マーケティングチームやビジネスデベロップメント/セールスチームを巻き込んでいきました。経営陣がカンファレンスに対してコミットメントしてくれて、各所に号令をかけてくれたのはドライブした大きな要因ですね。」

 

経営課題にPRとして貢献することが、社内の納得感につながっていく

早川「カンファレンスにも通ずると思うのですが、企業が次のフェーズにいくには、受けのPRから脱して、戦略的にPRしていく必要があるとよく言われますよね。ただ、現場では何から着手したらいいか悩むこともあると思います。矢嶋さんはどのように戦略をたててらっしゃるんでしょうか?」

 

矢嶋「メルカリに入社したときもそうですが、基本的に最初は“全社目標に対してPRで貢献するために、社内にどんな情報・ファクトがあるのか”をひたすら情報収集します。情報収集する時は、世の中のモーメント(トレンド)、競合のモーメント、さらには自社のモーメントを重ねて、これから自社で予定している案件・プロダクトリリースなどで使えそうなものは何かを集めていきます。

 

そのうえで、経営側にヒアリングをしています。ただ単にヒアリングしても意味がないので、情報収集結果をもとに、現状分析・課題・目指すべきPRの方向性・KPIなどに関する仮説をまとめつつ、やるべきこと、捨ててもいいことのキャッチボールを何度かして精度を上げるかたちです。」

 

 

早川「経営陣に広報・PRの重要度を理解してもらうことも大事だと思いますが、そのために心がけていることはありますか?」

 

矢嶋「PRは自己目的化しやすいところがあると思います。『こんな掲載がありました』『発表会をやりました』っていうので広報チーム側は盛り上がっているけど、意外に経営陣はあまり関心がない、というケースが少なくないのではないかと思います。

 

経営陣は『経営課題に対してPRとして貢献できているか』というところでしか見ていないので、経営陣が何に課題を持っているかをちゃんとヒアリングして、そこに対してPRはここまで貢献できるということをしっかり握る。後は結果で返す、というのを繰り返すことで、経営陣から『PRも巻き込んでおいた方がいいよね』という信頼関係が生まれていくと思います。

 

メルカリも、企業規模が大きくなりつつあるなかで、経営陣にPRの意義や価値を適切に理解してもらうために、活動内容の可視化も含めて密にコミュニケーションを取るようにしています。」

 

早川「なるほど。野尻さんは現場で広報業務を幅広く経験されていますが、会社がより次のフェーズに上がっていくときに、現場でやっていて一番難しいと思うのはどんなところですか?」

 

野尻「弊社の売上の約8割はLIFULL HOME'Sに関する事業なので、既存事業ありきのPRになってしまいがちなんですが、LIFULLを発信するためには、LIFULL HOME'Sはもちろん、地方創生事業や新規事業なども発信する必要があります。ただ、そこは既存事業とのバランスが大事だとは思っていて。なので、広報としてそれぞれの年間スケジュールを立てながら、繁忙期なども加味して事業部とどのタイミングで情報発信していくか、コミュニケーションを取ることが大切だと日々感じています。」

 

早川「確かに会社が大きくなると色々なところでニュースが生まれているので、どうやって情報収集して取捨選択するかも非常に難しいです。各部署には協力し続けてもらわないといけないので、無下にはできないという大変さもありますよね。」

 

 

企画の切り口次第で、メディアは再び会社に興味を持ってくれる

早川「ユーグレナさんはPR開始当初、ミドリムシなど濃いテーマでの露出が多かったですよね。一通り一巡すると、大体どこでも取り上げてくれたので、またメディアに興味を持ってもらうための工夫が必要だと思います。そのために、どういうことをご自分の中で日々意識されていますか?」

 

安間「おっしゃるとおり、『ミドリムシって一回ブームになったよね』って言われるんです。それはそれで受け止めつつ、じゃあどういう切り口だったら取り上げてくれるのか、という話だと思っていて。

 

ミドリムシにイロモノ感が出てきた後はミドリムシのみを全面に出すのではなく、『間接的にミドリムシが関わっている』というアプローチをして、会社のイメージをから普通に戻す活動をしましたね。ちなみによく社長が『私、ミドリムシなんです』みたいな発言はしているのですが(笑)。一度個性的な強いイメージがついてしまうと、他のネタはなかなか出にくくなってしまうかなと。なので、メディアの過去記事を見て、『ここはちょっとイロモノっぽさが出たから、次はこれを打とう』などその時で判断して計画をたてていました。」

 

早川「計画でいうと、1本1本のリリース後の取材対応も大事だと思います。よりよい記事、深い記事にしていただくために、注力していることはありますか?」

 

安間「ファクトを間違われたり、想定外にネガティブな記事になったりしないようにはできる限り気をつけています。それに関しては、1つは『リピーター(の記者、媒体)を作る』ということが大切だと思っていて、信頼性を重要視して対応をしています。その方や媒体が会社の理解者になってくれると、当社の知識がある中で記事を書いてくれます。その方の記事を見て、また別の方が記事を書いてくださることもある。すると、次の記事も大前提は理解した中での記事になる。その積み重ねが大事だと思います。なので、1本1本手を抜くことはありません。」

 

 

発展期の企業で、広報が身につけるべきスキルとは?

セミナー終盤では、ゲストスピーカーの3名から、『会社を次のフェーズに持っていくために、身につけておいた方が良いスキル』について教えてもらいました。

 

矢嶋「個人的には、3つあると思っています。メディアの理解・リレーション、経営陣も含めた社内の理解・リレーション、あとは、社内と社外を繋いでいくためのテクニカルなPRスキル。会社の経営課題に対してPRとして貢献していくためには、この3つを掛け合わせていくことが必要だと思っています。例えば、スタートアップ出身の広報担当者は、往々にして社内の理解は深い一方で、メディアの理解が足りなかったり、周囲にPR経験者が少なくてPRスキルが十分でなかったりするケースがあります。逆に、PR代理店出身の広報担当者は、メディアの理解はある一方で、社内のことがわからなくて表面的な露出ばかりを追いかけてしまいがちです。3つを均質に上げて、そのバランスをどう取っていくかが重要だと思います。」

 

野尻「わたしは、社内の調整力が必要だと思います。自分の力だけでは何ともならないことばかりなので毎日各所にお願いしながらというか(笑)、メディアの対応をしながらも、社内とどれだけ仲良くできるかが大事だなと。あとは、各役員が感じていることと広報部門の考えが少し違うこともあるので、役員に対して自分の考えや意見を伝えるなど、率直なコミュニケーションをとることも大事だと思います。」

 

安間「お二人が素晴らしい回答をされていたな、と思いつつ(笑)かぶるところはありますね。経営者の意向を汲みながらも、いい意味で全体の戦略や情報を整理する力も大事です。あと、もう一つはチャレンジすること。1回やってみる、言ってみる、という精神も必要だと思います。」

 

 

PRの目的とやるべき施策は、企業の成長フェーズに合わせて変化する

最後に、当社・早川より、広報部門の成長段階に合わせたPRの目的、活動内容をご紹介しました。当社の定義では、広報部門には4つのフェーズと目的があると考えています。

 

1)立ち上げフェーズ:PR体制の確立

2)認知フェーズ:企業やサービスの認知・想起率向上

3)理解啓蒙フェーズ:企業やサービスの事業内容/特色の理解促進

4)統合ブランド構築フェーズ:事業サービスを横断したブランド構築

 

早川は、「まだ立ち上げたばかりなのに、広告やソーシャルメディアなども統合して、すごく高度な活動をと欲張ってしまうと、ベースがまだ揃っていない状況なのでPRが上手くいかなかいことがある」と説明し、各フェーズで取り組むべき施策とパートナー像について言及しました。

 

 

早川「立ち上げのフェーズであれば、やはりPR体制の構築をするのが先決ですので、PRの基本的なスキルをレクチャーしてくれるパートナーさんを選ぶのがいいと思います。認知を上げていくフェーズですと、情報発信が重要です。リソースが足りないのであれば、情報発信に強みを持った方の採用や、外部のパートナーの力を借りることも必要かと思います。

 

難しくなってくるのが、認知は一通り獲得できた後。先ほど矢嶋さんが戦略づくりのヒントを教えてくださいましたが、『そもそも自分たちはどうありたいのか』『今、世の中はどう動いているのか』というところを把握しながら、メッセージや企画を設計することが必要です。広告とPRの連動なども求められるようになりますが、ソーシャル、オウンド、PR、広告がバラバラな方に向かって動いていると、メッセージがぶれてしまいます。PR以外の領域での知見も必要になるので、対応できる体制を見直すことが必要になると思います。

 

フェーズが上がってきたときに、社内で全てをできたらベストではあると思いますが、色々な問題からそうはできない場合も多いのではないでしょうか。社内でリソースや知識が足りない場合は、社外も合わせてワンチームを作っていくことも大事なポイントになると思います。」

 

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