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  • 2019年12月18日
  • セミナーレポート

クックパッドと考える、食とマーケティングのトレンド。サステナビリティ・SDGsを意識したブランディング活動とは?

日々変化するトレンドを追い続けることは、PRパーソン、マーケターにとって必須です。今回はクックパッド株式会社と共同開催したセミナーより、“食トレンド”と“マーケティングトレンド”の最前線をお届けします。クックパッドが所有する膨大なビッグデータから読み解く食トレンド、必見です。

 

 

    

 

登壇者

クックパッド株式会社 マーケティングサポート事業部/部長
齋藤 貴生

スタートアップ、ポータルメディアとキャリアを経て2016年クックパッドに入社。主にメディアのマネタイズを中心に従事し、クックパッドでは広告事業に携わる。入社直後は大手調味料メーカーを担当し、2017年2月より現職。食品メーカーがデジタルでコミュニケーションをしていく上で何が必要となり、ユーザーとどのように関わっていくことがベストなのかを徹底的に追求する日々を送っている。

 

ビルコム株式会社 プロデュース局 部長
長沢美香

SP業界からPR業界へ転身し20年以上に渡り企業のブランディング、マーケティングに従事。toCでは旭化成ホームプロダクツ、旭化成ホームズ、マツモトキヨシ、toBでは専門商社、人材関連企業等、大手企業を中心としたコンサルティングチームを統括。メディアが多様化するなかで、単なるメディア露出増加だけではなく、コーポレートブランディング、SOEPメディアを統合し、経営課題を解決するPRコミュニケーションを設計している。

 

2019年の食トレンドは「下味冷凍」

クックパッド株式会社が運営する料理レシピのコミュニティウェブサイト「クックパッド」は、月間利用者数5,400万人、投稿レシピ数320万品(ともに2019年12月現在)という世界最大のレシピサイトです。日本全世帯の実に約8割が利用しているクックパッドは、現代日本の食卓をリアルに反映していると言っても過言ではありません。

 

そんなクックパッドが毎年発表している『食トレンド大賞』。昨年は「サバ缶」、一昨年は「チーズタッカルビ」が大賞を受賞しています。今年選定されたのは、「下味冷凍」。選考メンバーの中では、ほぼ満場一致で選ばれたそうです。

 

クックパッドでは「下味冷凍」の検索頻度が約一年間でなんと649%上昇。その背景の一つは時短ニーズの高まりで、平日の献立をシンプル化する時代背景にマッチしていること。そしてもう一つは、ユーザーにとっての利便性が高いうえに、少しでも自分で調理するステップがあることで罪悪感が軽減されること。こうした背景から、興味関心がますます高まっていると考えられます。

 

そのほか、プレシニア、シニアの方を中心に、少し余裕ができた時間を使ってつくる“手しごと系”のレシピ検索が増えていたり、非常時に役立つレシピが多く検索されていたりという傾向もあるそうです。意外なものから「確かに」と思うようなものまで、生活者の食トレンドが手にとるようにわかる興味深いデータでした。

 

 

クックパッドのビッグデータから読みとく近年の食卓トレンド

クックパッドは、生活者が検索しながらサイトを利用することが特徴です。ライフステージによって料理の課題は常に変化するため、検索ワードから、ステージごとの悩みや課題を食に紐づくかたちで読み解くことができます。1年間でユーザーが検索を行う回数は、実に約16億回、1万2千語。検索エンジンからの流入を除き、クックパッド内で検索された回数だけでこれだけのデータを保有しています。

 

その中で、近年は時短調理を意識した「コト」検索が伸長している傾向があるそう。たとえば「レンジで簡単!中華風サラダ」など、“何かを調理する際にレンジを使用すると調理が簡単になる”という課題解決の手段として検索されることが挙げられます。

 

また、クックパッドの中で最も年間検索数が多い言葉は「簡単」。16億回中、15回に1回は「簡単」というワードを組み合わせて検索されているそうで、「炊飯器」や「レンジ」、「カット野菜」など時短関連ワードの検索数も伸長しています。食トレンド大賞が「下味冷凍」だったことからも、「調理をしつつも、なるべく手間をかけずに美味しいごはんを作りたい」というニーズが高まっていることがうかがえます。

 

サステナビリティへの関心が高まっている背景

続いてビルコムのパートでは、「サステナビリティ」が近年のマーケティングトレンドになっている背景や、企業が取り組むべきPRの考え方をご紹介しました。

 

 

これまで、企業は経済活動を中心に行うことで存在価値を示すことができていました。そして、商品やブランドを競合と差別化するために必要だったのは、価格や機能面、情緒的な価値でした。

 

しかし、2015年には国際連合がSDGsを採択したり、ESG投資が主流になってきていたりと、世界的に企業や商品に求められる価値が様変わりしています。生活者の間でもエシカル消費に対する意識が高まり、ライフスタイル誌「Pen」でサステナブルに関する特集が組まれました。

 

つまり、今は商品・サービスそのものの価値だけでなく、社会的に意味のある企業や商品・サービスなのか、という視点が必要な時代になってきていると言えます。このような時代に対応するためには、企業全体として広義の意味で「社会善」―ESGや食文化の振興など、社会がよりよい方向に向かうことにつながっていると伝わるブランディング活動が重要です。

 

 

広報部・マーケティング部が連携する必要性

企業全体として社会へメッセージを発信するうえで必要になるのが、各部門間の連携です。これまで、企業自体の価値を世の中に広めていく広報部と、商品やブランドのPRを担当しているマーケティング部は、別々の目標を持ち部署分断でブランディングを行うことが多かったと思います。しかし、この体制だと「発信するメッセージが各部署で違う」「広報とマーケティングの連携が難しいため、発信方法に限界がある」などの課題が発生しがちです。

 

そんな中、近年は広報部とマーケティング部が横のつながりで連携することが増えており、双方が密接に連携してコミュニケーションを設計することは珍しくなくなってきています。両部門で情報を共有するメリットは、広告プランに合わせて情報の発信量を変化させるなど会社全体で情報をコントロールし、大きな情報の波をつくれること。実際、当社でサポートしているクライアントには、他部署で予定しているプロモーション・広告プランを極力共有いただき、コミュニケーションプランを策定しています。

 

社会課題と企業価値の溝を埋める存在価値が重要

前述したように、現代の企業には“社会課題の解決に取り組む企業”という存在価値が求められています。ただ、全ての企業が存在価値をわかりやすく伝えられているかというと決してそうではなく、社会課題と企業が謳う強みの間に溝ができている場合も少なくないと思います。ブランディングでは、その溝を埋めるために存在価値を再定義し、ステークホルダーへ発信していくことが大切です。

 

ここでキーワードとなるのが、「サステナビリティ」です。ライフスタイル誌でも取り上げられるほど一般化してきたこのワードは、これからの企業が生活者から選ばれるために外せないワードと言ってもいいでしょう。サステナビリティ、SDGsといった世界的に求められている活動・企業姿勢を積極的に発信することは、存在価値をステークホルダーに認識させ、選んでもらうことにつながっていきます。

 

サステナビリティは今後も継続して求められる価値観だと考えられますが、世界が抱える社会課題や潮流は日々変化しています。コーポレートブランドは一度策定して終わりではなく、そのような潮流に合わせて進化させていくことが必要です。

 

社会課題解決に取り組んだブランディング事例は、下記からご覧ください。当社がご支援しているヤマキ様の「だし活プロジェクト」をご覧いただけます。

 

ヤマキの「だし活プロジェクト」に学ぶ、PRファーストで考える企業ブランディング

https://www.bil.jp/blog/details/85

 

まとめ

トレンドを知るためには、クックパッドのように多くの生活者が触れるウェブサイトやメディアのビッグデータを活用することも一つの手です。できれば、自社が関わる業界以外にもアンテナをはり、世の中の動きを敏感にキャッチするとよいでしょう。広い視野で情報に触れることで、新たな発見があるかもしれません。

 

(書き手:ビルコム株式会社・高橋)

 

    

 

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